僕、スパイクタイヤ、動物園、花火、君、記憶――未来

作者 阿部藍樹

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★★★ Excellent!!!

2011年3月11日に起こった東日本大震災から時が経った。
中学生だった彼は大学生になり、仙台市内に住んでいる。

雪の日の原付バイクがきっかけで言葉を交わした彼女。
ごくありふれた、少し変わった友人同士としての関係。

あの日から時が経ってきたからこそ話せるようになった。
そんな正直な言葉が綴られた、短くも鮮やかな青春文学。

読ませていただけてよかった、と思いました。

★★★ Excellent!!!

震災がどんなものだったか、震災の当事者は誰か、そういうことは、僕にはわからない。毎年のドキュメンタリーで震災の今、が報道されている。明日には暮らす家がなくなるかもしれない恐怖を僕は感じたことがないけれど、隣にいる君が、涙を不意に流して、それがよくわからないなんてこともないように、僕たちの生活は当たり前に、些細なところに、溢れている。それが幸せで、幸せで、幸せで。嬉しい。そう思える小説です。読んでほしい。みんなに呼んでほしい。ラスト3ページで涙が溢れる小説とか、どんでん返しに驚きました!なんて小説より遥かに読んでもらいたい。

★★★ Excellent!!!

あぁ。
朝からとても素敵な小説を拝読しました。ありがとうございます。
あの時、こちらは東京にいて。
でも親戚が南三陸町にいて、いろいろ大変でした。
だけども大変なことを大変だと書かずに、こんな風に切ない花火のきらめきに置き換えられるのは、小説のとっておきの力なのだなと納得しました。
切れ味鋭い短編の、鮮やかさに脱帽です。