大書楼の司書姫と謎めく甜食(スイーツ)

作者 鳩子

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★★★ Excellent!!!

物語の中の国、時代、システム、そういったモノの設定が細やかでヒロインの彼女ならずとも書籍で詳しく知りたくなるという点でまず引き込まれました。
登場人物の思い、思惑もギリギリまで読み手に伝わらないようにしていたり、必要に応じてはさり気なく大公開(笑)されたりと絶妙。
最後まで一気読みでした。
周りの人々の思惑や何をどの時点でどの位知っていたのかを確認したくて、何度も読み返してしまいました。
出てくるお菓子も魅力的で、アニメーション映画で景色やお菓子を観てみたいと思いました。
もちろん2人の関係もほのぼのとしていて、ステキでした。

★★★ Excellent!!!

地味な独身アラサー姫が、『結婚か、昇進か』を迫られるところから物語がスタートして、
年下男子と恋が進行・・・と思いきや、アラサーだけにこじらせているようで、超鈍感です。

その上、お菓子を探さなければならないというのに、主人公は、味を感じないのです。

作中、沢山の美味しそうなお菓子が出て来ます。
なのに、主人公は、全く味を感じれずに、可哀想になってきます。


作中のお菓子は元になったお菓子があるそうですので、食べてみたい!!
中華もので料理をあつかっているものは多いと思いますが、本作はお菓子に特化してます。
これもめずらしいのでは?


鈍感アラサーの恋物語は、ちゃんとハッピーエンドです。
じれったいお話しが好きな方は、はまります!!!!





★★★ Excellent!!!


幼い恋心を一生の思い出として生きる事を決めていたアラサーの公主・娃琳。ある日国王に、大茶会の席で出す菓子の準備を命じられる。もし失敗すれば、「結婚」。
後のない娃琳。大書楼の司書をしている娃琳だけに、知識はあるものの、娃琳には一つ、問題があった―――。
それは、味覚を一才感じないという事。
途方にくれつつ、娃琳は街で、西域から来たという青年、鴻とであう。利害の一致した二人は、ともに『珍奇で美味なる菓子』と『真実を告げる菓子』を探すことになる―――。

一つの菓子を巡り、お堅い司書である姫と、若く精悍な訳あり青年。二人の距離感に期待しながら読み進めて行くと、なかなかこのヒロイン、癖があります。
なにしろ、味覚を感じないため、美味しそうな料理が沢山出てきますが、その表現たるや、紙のようであったり、糊のようであったりと、表現力のある作家様だけに、読み手であるこちらまで苦しくなるほどです。

彼女が何故、味覚を感じないのか? それは幼少期の母との関係が大きいでしょう。そして、味覚を取り戻すヒントもまた、初恋の君との関係に隠れています。

形を変えて伝わる、古代からのレシピ。伝説を伴う、摩訶不思議なレシピ。様々なレシピを探しながら、やがて娃琳は、自分の中の小さな変化に気づきます。

この物語は、主人公の成長物語です。頑なに心を閉ざし、自己否定をする主人公は、現代社会に通じるテーマ性を秘めています。
『食』という、本質的で大切なものを軸に、物語は広がりを見せ、主人公娃琳は、自分が多くの人に愛されていた事実を知る。そして、自分を愛し、受け入れてくれる存在に気づいたとき、呪縛から解放される。

甘いスイーツと、鈍感なヒロインのほんのり甘い恋。読後感も良く、ハッピーになれる物語です。