横尾くんは語る、彼女をつくれないのではなくつくらないだけだと

横尾くんは語る、珈琲にミルクを足さない女は地雷だと

横尾くんは語る、私は意外に自己主張が強いところがあると

横尾くんは語る、雨の日に折り畳み傘を使う人は部屋が汚いと

横尾くんは知る、恋人が一番好きな相手であるとは限らないと

横尾くんは語る、恋と旅は似ていると

横尾くんは語る、猫好きの女は流されやすい性格をしていると

横尾くんは語る、目玉焼きに醤油をかける人間には二種類いると

横尾くんは語る、両親のどちらかが嘘をついていると

美咲は主張する、横尾くんは私に惚れていると

横尾くんは語る、毎日人は夢を見ると

横尾くんは語る、男は初恋を忘れられないと

横尾くんは語る、私は本当は右利きなんじゃないかと

横尾くんは語る、異星人とのコミュニケーションは疲れると

青山くんは喋る、べつにいないならいないでいいと

横尾くんは語る、運命の相手はときに聡明ではないと

横尾くんは語る、悲観的な人ほど長生きをすると

横尾くんは語る、友人がいなければ生きる意味を失うと

横尾くんは語る、全然期待していないと

横尾くんは走る、春の終わりと

横尾くんは語る、名古屋で生まれたかったと

横尾くんは語る、手伝いたいと

横尾くんは語る、気が合わない奴と趣味が合うと

横尾くんは語る、アウストラロピテクスに箸の使い方を教えるほど寛大ではないと

青山くんは喋る、夏が始まると

横尾くんは語る、私の前にも後ろにもいたくないと

横尾くんは語る、地球の反対側に行く予定ならば話はべつだと

横尾くんは断る、別の方との幸せを願っておりますと

横尾くんは語る、夢中になるという意味もあると

鈴井さんは嘲る、夏って嫌いだと

横尾くんは語る、地球が生んだ熱水を身体が求めていると

渡辺さんは贈る、疲れが溜まっている時はクエン酸がいいらしいと

横尾くんは語る、人を惹きつける秘密がそこには隠されているんじゃないかと

横尾くんは語る、胃が痛くなってきたと

青山くんは喋る、似た者同士なのかもねと

横尾くんは語る、舌を何度も出し入れしているととても喉が渇くと

横尾くんは語る、時々そのことを忘れそうになると

美咲は主張する、他人事じゃないからねと

横尾くんは語る、そして今年はと

横尾くんは蹴る、夏の終わりと

横尾くんは語る、今の席が気に入っていたのにと

私は振りかえる、あれはお互いの名前を初めて知った日のこと

渡辺さんは贈る、天使のように優しい言葉だけを

静は探ってくる、まだ引退していないのかと

青山くんは喋る、秋が始まると

私は振りかえる、あれは馬鹿が風邪をひいた日のこと

木下くんは蹲る、帰れないんだと

美咲は主張する、私は横尾くんのことを探していると

鈴井さんは嘲る、他に好きな人ができちゃったからと

横尾くんは語る、抹茶アイスの緑色はお茶葉の色ではないと