第45話ソシャゲって意外と時間が掛かりますよね? 気付いたら携帯の充電が切れそうだったり

 シロのステータスがとんでもないステータスになっていた…このまま冒険者ギルドに行ってもいいのかな?


「ご主人、私だけじゃ無いはずです! ご主人のステータスもきっと、とんでもない事になってますよ! 」


 シロよ…そんなに嬉しそうに言わないで欲しい。


「ジルアちゃんはきっと『ゴッドスレイヤー』とかついているんじゃないの? 」


 やめてくださいセシルさん、俺は殺してなんかいないもん…ボコボコにはしたけどさ……


「むー考えるのは辞めた! 兎に角見てみよう! 」


 どうせ考えたって変わらないんだ、先に諦めた方が楽なはずだ!




(名前)

 ジルア・オシト

 15歳 ♀


(種族)

 レジェンドエルフ


(職業)

 魔法騎士


(スキル)

 ユニークスキル

 ・無課金ゲームLv3

 スキル

 ・生活魔法Lv4

 ・危険察知Lv5

 ・気配察知Lv3

 ・魔力察知Lv3

 ・精神耐性Lv8

 ・魔力制御Lv1

 ・魔力操作Lv1

 ・魔力増幅Lv3

 ・魔力回復Lv3

 ・生命回復Lv1

 ・頑強Lv1

 ・騎乗Lv2

 ・尋問Lv6

 ・弁舌Lv6

 ・調教Lv8

 ・料理Lv1

 ・礼儀作法Lv3

(称号)

 奴隷王女のご主人様

 ダークエルフのご主人様

 神敵




 や、やばい……やばい称号がついてる!


 シロもセシルも顔が真っ青だよ…これ、世間的には、死んだんじゃないかな?


「あわわわわ! ご主人のライバルが神様になっちゃいました…これではご主人が魔王みたいです! 」


「今まで世界の守護者を撃退した人なんていなかったから、凄い称号になったのかも…でもこれ、教会や街に入る時に、大丈夫かしら? 」


 そろそろ冒険者ギルドに着く為、時間がないので神敵の詳細だけ見てみる。




 神敵


 神の力を撃退し、神より敵として値するに相応しい相手として、認められた者に送られる称号。


 ・対神性攻撃時に50%UPの能力補正。


  【神殺し】のスキル所得。


 ・天界よりの敵認定。


 ただし、人間界ではこの称号は本人以外には見えない。(神様が負けたと広まったら困っちゃうからね? )




 何か詳細が、かなりフレンドリーで困ってしまう…


「あれ? 本人しか見えないはずなのに私も見えるのだけど? 」


「私も見えます。奴隷はご主人の体の一部、という事なのでしょうか? 正直、ご主人と一緒なので嬉しいです! 」


 怪訝なセシルと嬉しそうなシロ、そして馬車が止まるのを体で感じる。


 どうやら冒険者ギルドでまた、問題を起こしそうな気がする…







 冒険者ギルドに五人と二匹で入ると流石に目立ってしまう。


 まぁ、カスパルとクレアは銀クラスだし、凶月と毛玉なんか珍しいだろうからな。


「ジルアちゃーーん!大丈夫だったの ⁈ 」


 ギルドの窓口辺りから、筋肉の塊がこちらに向かってくる!


「ご主人、物凄いプレッシャーです! これはスプリガンさん以上かも ⁈ 」




 ……あぁ、そういやシロは気絶してたか。




 カスパルとクレアは苦笑してるし、セシルも顔ぐらいは知っていたのだろう。


 筋肉の塊は俺との間にある冒険者達をなぎ倒し、俺の目の前に現れる。


「ご主人には指一本触れさせません! 」


 シロの右手が相手を殴ろうとするが、スッと躱されると、そのまま筋肉の腕に抱かれ、俺の前まで運ばれてしまう。


「ジルアちゃん! この子も元気そうで私、安心したわ〜! 」


「ふぎゃぁぁあ ⁈ 」


 シロごと一緒に抱きしめられる俺。


 シロは予想外だったのか、悲鳴を上げている。


 筋肉のおっさんに抱きしめられる幼女エルフと、紅いメイド服の奴隷…因みに俺は何度か抱き締められたので、既に無の境地だ…何時、抱き締められたかって? 最初のゴブリン退治の後で、鬼ごっこをして捕まった時だよ!






「そうですか。私が助かった時に応援に駆けつけてくれた人なんですね。その節はどうもありがとうございました」


 俺からの説明を受け、マロンに頭を下げるシロ。


 褐色角付きの赤いメイド服と色々な要素を盛り込まれたシロは、どうも冒険者ギルドでは好評のようだ。周りからも優しい雰囲気が漂っている。


「良かったわ。あの時は本当にガリガリで、触ったら折れそうなぐらいだったのに…いいご主人様に会えて良かったわね」


 涙ぐむマロンに、いい笑顔で頷くシロ。


「えぇ…本当にいいご主人に会えて私は幸せ者です。ご飯は作ってくれるし、掃除もしてくれて…あれ? シロは本当に奴隷ですよね? 」


「何で私が掃除までしてるのか分かるかな? いっつもいっつも食っちゃ寝、食っちゃ寝してる奴隷がいるからだよ!」


 シロのこめかみに拳をグリグリ当てて説教する俺。


 こいつと家鳴りはメシ食ったらすぐに寝てしまうからな…




「仲も良くて、私も安心したわ…それにまた奴隷を増やしたの? セシル、あんたどうして奴隷になってるのよ? 」


「仕事でドジを踏んでね、可愛い主人に見初められて、何とか命だけは助けてもらったの。また冒険者に戻れるみたいだからよろしくね。マロン」


「腕のいい斥候は、何処のPTでも人気なのにいつも一人で仕事するからそうなるのよ、セシル」


 マロンとセシルが……ってセシルの肌が白くなって、耳が人間の様になっている ⁈


「ご主人! セシルはいつの間に変装したんですか? シロ全然気が付きませんでした…」


 俺の耳元で小声で話すシロに、俺も頷いてしまう…どうやらあれがセシルのユニークスキルなのか?


「金クラスの貴女となら一緒になっても良かったんだけどね? 私も色々あるのよ」


 苦笑気味に話しているセシルだが、金クラスと言う言葉を聞いて目を見開くシロ。


 因みに、俺は鬼ごっこの時に教えてもらっているよ。




「ジルアちゃ〜ん。会いたかったで〜す。癒しが、癒しが無いんですよ〜この職場、最近ストレスが溜まりに溜まってギルマス殴るしか癒されないの〜」


 俺をその大きな胸に挟み込んで、頬擦りしまくる猫耳のギルドの受付嬢、フィリさん。


 大きな胸に挟まれた俺は、ぐりんぐりんと頬擦りを受け既にグロッキー状態だ。


「フィリ! その位にしないと、ジルアさんが倒れちゃいますよ? 」


 フィリさんの後頭部を叩きながら現れたシフォンさんが、何とか俺を助けてくれた…危なかった、もう少しで桃源郷の彼方に連れて行かれる所だった。




「そろそろこっちに来てくれないか? 言いたい事があり過ぎて、俺としては憂鬱なんだがな…」


 暗い顔でこちらに話し掛けてくるテンカさんも元気そうで何よりだ。


 毛玉くん…凶月に咥えられて動くのは辞めないか?







 そんなグダグダな状態でギルマスの部屋に行く事になりました。













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