ソシャゲのエルフ幼女となった主人公は異世界で生きていけるのか?〜無課金プレイヤーが送るエルフ幼女の異世界生活
第36話課金ゲームの多くは同キャラを重ねる事で強くなりますが同じキャラを引くと少し損した気になりませんか?
第36話課金ゲームの多くは同キャラを重ねる事で強くなりますが同じキャラを引くと少し損した気になりませんか?
シロと二人で『世界の守護者』と相見える。
俺の耐久力はシロ程頑丈では無いので避ける事が必須だが相手の広範囲に聖剣をばら撒く技には対処し辛い。
よって相手に攻撃させない間合いで戦うのが一番勝率が上がる!
「それじゃあ行くぞ!」
初級魔法の(ブースト)でスピードを上げた俺の移動は世界の守護者との間合いを一瞬にして詰める。
同じようにシロも接近戦を挑む為、相手の懐に飛び込んで来ている。
《面倒だな…》
世界の守護者の剣の一振りはそこにあるもの全てを破壊していく。
俺は空中に、シロは更に相手の懐に入る事でその攻撃を避けていく。
「このチート野郎め ! 」
俺は(ソニック・ブレイド)を放ち攻撃するが、相手は避ける事すらせず無効化してしまう…
「はっ! 」
シロのトンファーが相手の脛を叩くがそれも無視するかのように、シロに向かって上段から剣を振り下ろす世界の守護者。
「させない! 」
そこを俺の(アイス・アロー)が世界の守護者の肩に当たり、若干の時間を稼ぐ。
その隙に後ろに下がり体勢を立て直すシロだが、やはり攻撃が効かない事が一番面倒な所だ。
「ご主人、あいつずるいです。殴っても叩いてもこちらの攻撃が効きません! 」
「あの鎧が邪魔だなぁ…聖剣ぶっぱするわ、攻撃効かないわ酷い相手だな」
お互い相手を罵りながらも、相手から目を離さない、世界の守護者…面倒だから守護者は悠然とその場から動かない。
こちらが攻めるまで攻撃するまで動く気が無いのか、それとも動かない事があの無敵な体の秘密なのか…
それから幾度となく接近戦を挑もうとするが守護者の鉄壁さに攻撃を無効化され有効打を取る事が出来ない俺達。
流石にシロも疲れてきているし、俺の魔力ももう僅かだ…そろそろ覚悟を決めるしかないな。
「シロ。今から俺が出来るだけあいつの動きを封じ込めるから奴に組みつくことだけを考えろ。後はさっき話した通りに動いてくれ」
俺の言葉にシロは首肯する、ついでにシロの胸の中に入れられたスライムもポヨンと揺れる。
「いくぞ! 」
俺は叫びと共に(パラレル・ドライヴ)で前後左右から仕掛ける。
《同じ技など何度も効かぬわ! 》
守護者は自分を中心に衝撃波を放つ。
(パラレル・ドライヴ)は本体を攻撃されると効果を失う技だ、だからこいつとの遭遇時の(パラレル・ドライヴ)は真正面から切り掛かった俺を攻撃されて発動を止められたのだろう…
全方位の攻撃により、後ろと左右の分身は消えずに相手に向かっていくが、正面の俺は衝撃波を喰らい…幻のように消えていく…
《何だと ⁈ 》
その後ろから腰だめにショートソードを構えて突撃した俺が守護者の腹に一撃を突き刺す!
そして残りの分身達も囲むように突き刺していく!
「シロ!今だ ‼︎ 」
腕で振り払われ、吹き飛びながら叫ぶ俺の声にシロは反応して守護者へと突き進む。
先程、幻のように消えたのは中級幻術魔法の(ミラー)の俺だ。
(パラレル・ドライヴ)を発動した瞬間に(ミラー)も発動させ、俺の前を走らせたのだ。
攻撃を一回無効化する能力で奴の攻撃を封じられるかどうかが心配だったが、どうやら杞憂ですんだみたいだ。
…ただ、あのミラーの俺、消える間際にこちらに親指立てて見せたんだよな…ミラーってそんな機能もあったのかな?
「うらぁぁぁぁぁあ! 」
シロは雄叫びと共に、守護者に組みつく。
なんかシロの角が伸びてる気がするし、体もひとまわり大きくなっている気がするが…多分気のせいだ!
《この娘、こやつも
何か驚いている守護者を尻目に、シロは相手に噛み付いてまで離されようとはしない。
…ここが勝負所だ!
「家鳴り! 『共鳴』だ!(サウンドスライム)発動! 」
家鳴りという妖怪は元々家の軋みや、家の中で起こる謎の音を妖怪として考えられた説があると言う。
「ホームでローン」の家鳴りの能力に『共鳴』という仲間のスキル効果を上げる技があるのもそのせいかも知れない。
今回の共鳴の対象はサウンドスライムの『音』だ。
シロの胸の中で発動されたサウンドスライムは守護者とシロ間で激しく跳ね返る。
ほとんど密着している為、桁違いの跳ね返りとなり、更に家鳴りの『共鳴に』よりその効果は上がっていく…
『@tw#gnwjk.p@m@jpg.tjakg.wbta』
最早、音というより振動波と言うべきかも知れない『それ』は二人を徹底的に揺さぶり、動かし、蹂躙する!
「はわはわはわはわはわはわ⁈ 」
《ぐぬぅ…こ、これは! 》
二人の叫びが僅かに聞こえ、両者が崩れ落ちるように倒れこむ。
「セシル ‼︎ シロを連れてこの場を離れろ ! 『風月』俺を天空に運べ ! 」
俺の言葉に耳を押さえていたセシルが正気に戻り、シロの足を持って引きずって逃げていく…シロ…哀れな。
風月は俺を咥えて真上にと上昇していく。
あまりの速さに風月が弱っていく様子が目に分かるほどだが、風月は只々上にと向かっていく。
「お疲れ…風月。お前はうちにお帰り…」
俺の言葉に満足そうな風月が消えていく。
俺は下を確認し、守護者目掛けて堕ちていく。
強烈な振動により守護者も動けない今、魔力も無い俺に出来ることはただ一つ!
「鋼龍出番だ ! 悪いが俺と一緒に落ちてくれ ! 」
『グルルル…グルゥ ⁈ 』
流石に空に呼ばれたのは予想外だったのか、可愛い声を上げながら俺の真下に鋼龍は現れる。
俺は鋼龍に乗るように鋼龍の背に落ち、(ブースト)で鋼龍の落ちるスピードを加速させる!
「鋼龍 ! 目指すはあそこの鎧野郎だ ! 悪いがあいつを潰してくれ。俺と一緒に守護者殺しといこう! 」
『ギャウ! 』
俺達は世界の守護者相手に天から堕ちる力となって全てを粉砕すべく地表に向かう。
守護者も俺達から逃げようとするがどうやら完全に動けないようだ。
『聖剣』すら飛んで来ない所を見ると現状すら分かっていないのかも知れない。
そして
俺達は
地表へと
激突する。
俺が最後に覚えているのはこちらを優しい目で見る鋼龍の顔だった…
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