第29話課金ゲームは中々続編とはいかないようですね。やっぱり同じ事では稼げないからかな?

 盗賊ギルドに襲われて、処理を行ったその翌日の朝、未だ帰ってこない二人に少しだけ不安になる俺。


 まさか徹夜でモンスター退治をしてるんじゃ無いよね?せめて夜ぐらい帰って来いと言いたい。




 青の毛玉をもふもふしながら今日は魔法の練習だ。


 未だスキルに現れない魔力制御が欲しいのだが中々世の中うまくいかない。


 考えてみればジルアが元から使っていた魔法は全然見た目がゲームの頃と変わらないしな。


 生活魔法で頑張ってみよう。


 トーチで明かりを点けながらマッチで火花を散らし、ウォーターで空中に水を撒きブロウで散らす。


 ディグで戦闘の跡を慣らして…あれ?これじゃ大道芸人じゃないですか〜


 仕方がないのでこのまま続けて約二時間経過…




「そろそろ何か変わったかな?」


 ステータスを出して見る。




(名前)

 ジルア・オシト

 15歳 ♀


(種族)

 レジェンドエルフ


(職業)

 魔法騎士


(スキル)

 ユニークスキル

 ・無課金ゲームLv2

 スキル

 ・生活魔法Lv4

 ・危険察知Lv4

 ・気配察知Lv2

 ・魔力察知Lv2

 ・精神耐性Lv5

 ・魔力制御Lv1

 ・魔力操作Lv1

 ・尋問Lv3

 ・弁舌Lv3

 ・調教Lv5


(称号)

 奴隷王女のご主人様




 うん、あれだな。


 生活魔法は一気に2も上がっている。


 使いやすいから俺にとっては一番上げやすいスキルなのかも知れないな。


 危険察知や魔力察知も上がっているし問題ない。


 精神耐性はやはり…


 魔力制御と操作が同時に取れた!あんだけ攻撃魔法使っても取れなかったのにどうしてだ?


 尋問と弁舌は昨日の拷問だろうね。


 精神耐性も同じかな?


 問題はこいつだ!調教さん ⁈ どうして上がったのかな?上がる原因無いよね?俺知らないうちに誰を調教してるの ⁈




 毛玉が俺の顔を舐めてきたので意識が戻る。


 おや?また魔力かい?よく食べるな。


(マナ・トランス)でばくばく吸収されたのでひと休憩。


 完全に餌認定されてないか不安だ。


 魔法の後は剣の練習かな?実は剣のスキルは良いんだけど剣の技は実は自信が無い。


 地球では剣道の授業でしか振ったことが無いしそもそもあれは刀が基本だ。


 誰かに師事しないといけないかも知れない。


 今回は中級幻術魔法の(ミラー)を使い相手をしてもらう。


 この魔法は使用者の分身を作るのだが、ダメージを与えられないしダメージを受けると消えてしまう言わば臨時盾といった所だ。


 一回ならどんな攻撃も無効化するので便利な魔法だったな。


「では!参る!」


 正眼の構えから頭に打ちおろす、それを横に避けるミラー、向きを変え今度は突きを放つが今度は後ろに飛び退かれる。


 …意外と避けるのね。


 ミラーに向けてダッシュし、抜き胴を狙うも避けられる。


 …当たったら消えるから避けるしかしないのか。


 当たり前のことに気がついてそれからは追っかけっこのような立ち振る舞いになる。


 …誰だ!幼女の追っかけっこっていった奴は!


 いつの間にか毛玉も追っかけているし、ほのぼのモードに入っちゃったよ?




 剣と魔法の修行で終わったその日、やはり二人は帰ってこなかった。


 スプリガンの契約は切れてないので多分大丈夫だとは思うが心配になる。


 家鳴りと毛玉と一緒にお風呂に入る。


 家鳴りは洗うのを嫌がった為、自分で洗ってもらった。


 毛玉は洗ってもらうのが気持ちいいのか全く動じない。


 これ本当にフェンリルなのかな?


 その日は三人で眠ったよ。




 翌朝玄関に二人の気配があるので走って迎えに行く。


 毛玉は最近俺の背中にへばりついている。


 なんなぐうたらな毛玉なんだ。




「主人、ある程度は鍛えた。これなら身の周りを守れるだろう」


 身体中何かの血に塗れたスプリガンにクリアを掛け、風呂に行くように命令する。


 問題はいびきをかいて寝てるこのシロだ。


 装備のあちこちに傷がついており相当な修練をした事は分かる…分かるけど何でそんなにモンスターを持ってきたのかな?人型以外のモンスターが山のように家の軒にに置いてある。


 かなりの数だ、百は超えている。


 種類も様々で見たことないモンスターばかりだ。


「これどうやって運んだんだ?」


 俺が不思議そうに見ていると、もう風呂からあがったスプリガンがこちらに来た。


 半裸に首掛けタオルなんてショタ殺しじゃないですかヤダー


「こいつらはこの森で俺らを襲おうとした奴だ。間引きをして来たから当分はこの辺にはこないだろう。これを持って来たのは俺だ。体を巨人にまでできるからな。ある程度吟味して持って帰って来た」


 どうやらカラスの行水のようだ。


 俺はモンスターをアイテムボックスまで運び入れていく。


 そういやご飯とか二人はどうしでんだ?


「森の中にいる兎や鹿を食べてたぞ。その女は文句ばかり言ってたがな。この女焼く、煮るしか出来なかったからな。ある程度は仕込んだ」


「もしかしてスプリガンがシロを教育したから私の調教スキルが上がった?」


 心当たりがあるのか横を向くスプリガン。


 こら、待ちなさい。


 何があったか話してもらおうじゃないか。


「ふわぁぁぁぁ。おはようございます、ご主人。何かありましたか?シロは多分成長しましたよ」


 多分って何だ、多分って。


 シロもかなり汚れているのでクリアを掛けてお風呂場まで運ぶ。


 今のシロもかなり汚れておりお風呂場に運ぶために持ち上げる。


 そういえばシロは俺の奴隷だしステータスを見れないかな?触ったままでステータスを念じると、何とシロのステータスが表示された。




(名前)

 シロ

 12歳 ♀


(種族)

 半獣人(山羊族?)


(職業)

 冒険姫 Lv26(不正奴隷)


(ステータス)

 力 62

 知力 104

 魔力 82

 敏捷力 166

 生命力 307

 幸運 999


(スキル)

 ユニークスキル

 ・生存戦略

 スキル

 ・危険察知Lv9

 ・気配察知Lv9

 ・魔力察知Lv2

 ・精神耐性Lv10

 ・苦痛耐性Lv10

 ・飢餓耐性Lv10

 ・頑強Lv10

 ・毒耐性Lv10

 ・礼儀作法Lv5

 ・回避Lv5

 ・探索Lv5

 ・鑑定Lv3

 ・打棍術Lv4


(称号)

 滅亡した国の奴隷王女

 異世界転生者




 …うん。見なかった事にしようか。


 俺の動揺が出たのかシロが不思議そうな顔でこちらを見てる。


 多分だけどシロは転生した記憶が無いのでは無いかと思う。


 ギルドマスターも言っていたがシロのスキルは異常だ。


 レベル10がどれ程の時間をかけて成長する

 のか分からなかったが、普通に考えれば十年や二十年ではきかないだろう。


 しかし、特殊なスキルや称号があれば別だ。


 俺のようなユニークスキル持ちか異世界転移者のような称号持ちなら特に…


「ご主人、先程からどうされました?」


 不安そうなシロの顔がどアップになる。


 どうやら無意識の内に風呂場でシロを洗う所まで来てしまったらしい。


「ごめん、ごめん。ちょっと考え事をしちゃってね」


 シロの頭をシャンプーで洗いながら頭のツボを押していく。


 わずかに漏れるシロの吐息がちょっと艶かしい。


 髪を濯いでトリートメントをつける。


 シロの髪は本当に白いのは確かなのだが、輝くような色だ。


 もしかしてプラチナに近いのかな?最後に髪をよく濯ぎ身体を洗う。


 女の子の肌は柔らかいので手で洗うぐらいにしないといけないとエステの有名人が言っていた。


 首や関節の裏側、胸の辺りを丁寧に洗い、あとは撫でるようにしていく。


 ちょっとシロの顔がどっかのビデオのお姉さんに似てきたので、熱いお湯で意識を戻してやる。


 後はゆっくり寝かせてあげよう。話しはそれからだな、うん。










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