第181話 入らない

「あの…車が車庫に入りきらないのでシャッター開けておいてもいいですか?」

「そうですか、ウチは大丈夫ですけど、何かトラブルあっても自己責任でお願いします」

「解りました」


 外車とかは入らない事もある。

 無理に入れて事故られるより開けっぱなしがいい。

 ナンバー控えてあるから大丈夫なのだ。

「桜雪さん、車何なんでしょうかね?」

「さぁ?入らないんだから…昔のセドリックとか…」

「いや入るでしょ?」

 当ホテル駐車スペースは割と広い。

「まぁね…掃除終わったら一応見て来るよ」

「キャデラックとかだったら見たいですね」

「キャデラックでラブホ? 僕ならそういう奴の顔の方を見てみたいよ」


「どうでした?」

「うん…セダン…普通のセダン」

「はい? ただの運転ド下手なだけじゃないですか!!」

「そうね…まぁ…いいんじゃないの」


 そこそこ、はみ出して停まっている普通の国産セダン。

「うっかりシャッター降ろさないようにさ、降ろすなってボタンに張っておいてよ、僕寝ぼけて降ろしちゃいそうだからさ」

「了解で~す」


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