第80話 超えたらどうなる?

『徒歩のお客様は前金で1万円頂きます』


 まぁ大概は以内で収まるのだが…。

「ヤバイな…9,500円超えたな…」

 オーバーしたらどうなるのだろう?

 おそらくは、清算時に追加料金入れておしまいなんだろうけど、徒歩客ってヤツは担保がない。

 車で入る前提のホテルにおいて正直、迷惑な客なのだ。


 向こうから電話が入る。

「休憩のつもりで入ったんですけど、宿泊料金になっているのはどういうことでしょうか?」

「おっしゃってる意味が解りませんが…」

「ですから、私達、休憩のつもりで来たんで」

「アナタがどういうつもりで来ようが、利用時間で料金は決まりますから、何か問題でも?」

「……解りました…今の1万円で、何時まで居られますか?」

「9時59分ですね」

「後、いくら使えますか?」

「480円ですね…お金無いなら今、出られた方がいいんじゃないですか?揉めると厄介ですよ色々と」

「大丈夫です、ありがとうございます」


 アイスまで買いやがった…あと220円…大丈夫か?


 引き継ぎの、おばあちゃんが困って顔で言う。

「ちょっと、迷惑なんだけど、そういう客」

「まぁ、金無さそうだからさ、ギリギリで出ると思うよ」


「すいません、エナジードリンクお願いします」


 まだ買うのか…ホント大丈夫か?

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