第74話 大型冷蔵庫逝く

 暑くなってきた。

 飲料が回転する季節なわけだが…

「冷蔵庫壊れました」

 絶妙なタイミングで壊れるね…冬なら良かったのに…。


「ビールどうしますか?」

「もう、スタッフ冷蔵庫、客室用に回すしかないよね…家庭用だけど」

「間に合いますか?」

「そんなの…運しだいだよね、何が売れるか解らないしさ…無駄に種類多いしさ」


 そんなときに限ってレアな注文が入る

「すいません、麦茶ください」

「はい…」


「おい!!麦茶だって、在庫あったっけ?、そもそもウチ麦茶なんてあるの?」

「ありました、1本だけ」


 無茶苦茶に詰め込んでるから、何が入っているのやら…。


「ん?ウチ、カルピスなんてあったっけ?」

「それ俺のです」

「容れるなっての!!」


 毎日がイレギュラー、それがラブホテルなのかもしれない。

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