{第三十四話} サンドイッチ
キッチンに行き材料を前に取り合えず包丁を握りカッコつける。
包丁を構え見たが、何も思い付かないのでそっと包丁お置いた。
隣にたたずむネラに話しかける。
「ネラ?王様って何食べるんだ?」
「よくよく考えたら、材料を集めたのは良いが、ネラなら材料とか必要ないよな?」
「ある程度は出せますからね」卵を手のひらの上のポンッと出し包丁を持ち、カッコつける。
「何してるの?w」
「マスターの真似をしてみました...」
「そうか...」
さすが、王様の食事を作るキッチンだけあって、ある程度の道具はそろっている。
現世の道具に比べれば遅れているが、この世界の一番良いものをそろえたのだろう。
辺りを見回しながら「さすがに、電子レンジとかはないか...」なんて少し考えれば簡単な事を思いつつ机に置かれた魚に目をやる。
「食べるのに時間が掛からなくて、手なんかを汚さないものが良いか...」ボソッっとつぶやいた。
やはり「サンドイッチ」だろうか?それとも「おにぎり」や「巻き物」だろうか?
「どうしますか?」ネラが考え込む俺の顔を覗き込んできた。
「お、おう」急に目の前にネラの顔が出てきたので少し驚いてしまた。
「どうしますか?」一方のネラは落ち着いた様子で再度尋ねてきた。
包丁を持ち再びカッコつける「よし!サンドイッチにしよう!」ドヤ顔で言ってみた。
サンドイッチを作るのに包丁はあまり使わないのというツッコミはいらないw
「分かりました、パンや野菜などは私だ出しますので、乗せる皿はマスターが出してもらえますか?」
「わかった」皿を出し、その上にネラがいろんな種類のサンドイッチをだした。
皿のふちに金箔は張らた見るからに高級そうな皿だ。
人数分用意して王様達のところへ持っていく。
「待たせて、すいません」サンドイッチが乗った皿を王様達の前に置く。
サントイッチを目の前に置かれた王様達はコレは何だ?と言う顔をしていた。
「これは「サンドイッチ」と言って、パンのあいだに野菜などを挟んだ物で手などを汚さす簡単に食べられます。沢山作ったので護衛をしている皆さんもどうぞ」周りで護衛をしていた兵士達に声を掛け振舞う。
ミックスサンドやたっぷりハムとタマゴが入った物、噛むたびに「シャキシャキ」と音が聞こえるキャベツが入ったサンドイッチなど、コンビニに200~300円くらいで売ってる物と差ほど変わらないだろうがこの世界には存在しなかった食べものだけあって、皆おいしそうに食べている。
「この「サンドイッチ」はとてもおいしいな」
「ありがとうございます」
どうやら王達はこのサンドイッチを気に入ったらしい。
「これを作ったのはショウ殿か?」
「いえ、ネラが作りました」
「そうか、ネラ殿か」
「はい、お気に召したようでよかったです」
「この料理は君が考えたのか?」
「いえ、私ではありません」
「では、だれが?」
「諸説ありますが、食事を疎かにするほどとてもトランプが好きな方を見るに見かねたコックがトランプを片手に手を汚さずに栄養が偏らない物として作ったのが「サンドイッチ」と聞いたことがあります」
「そうか...」
食事も食べ終わり、片付けているとメイドが一人歩いてきた。
「ティア様、フレイア様ティーパーティーの準備ができました」
「分かりました」
メイドの後に続き庭園の方に歩いて行った。
「ショウ殿、私はここの書斎で読書をしたいので付き合ってもらえるかな?」
「分かりました。では、姫様達の護衛にはネラを行かせますね」
「では、私はこれで...」
「姫様達を頼んだぞ」
「わかりました」
ネラも庭園の方に歩いていった。
「ちょっと~私達のこと忘れてない?」
「忘れてませんか?」
「ごめんごめんw」
「も~」
「む~」
「そうだ、サンドイッチ食べる?」
「私達、サキュバスは魔力さえあれば食事は必要になのよ?」
「食事をすると魔力を少し回復できますが」
「そうか...でも、食事という行為は出来るんだろ?」
「できるわよ?」
「できますよ?」
「そうか、おいしいと思うから一つでいいから食べてくれ」
「そこまで言うなら..いただきま~す」
「いただきます」
「どう?」
「おいしいわ!」
「とてもおいしいです!」
「それはよかった!」
「マスターは料理もできるのね!」
「得意なんですか?」
「まぁ、一応...簡単な料理なら...少しは...」(ネラが作ったとはいえない...)
「マスター、私達を呼び出しておいて何も無いって事はないわよね?」
「モニカ?別にいいてしょ?」
「いや、いいんだw今回はわざわざ呼び出してすまないなwオレに出来ることなら言ってくれ」
「マスターの魔力がほしいわ!」
「わ、私も...」
「分かったよw手を出して!」
「はーい!」
「お願いします」
「いくぞ!」
数分後...
「もう、十分よ」
「ありがとうございます」
「もう、いいのか?」
「この前、あの後友達にその魔力を誰からもらったのか囲まれて、問い詰められて大変だったのよ?」
「サキュバスの中に流れている魔力の質や量が分かるんです」
「そうか、もしかして君達の友達に会いに行ったらオレ、囲まれる?」
「絶対に、ダメよ!」
「いくら、魔力を人より沢山持っているとはいえ...吸い尽くされますよ?」
「そうか...今日は気をつけろよw」
「はーい、まったね~」
「わかりました、また何かあったら読んでくださいね」
「おう」
そんな、オレと彼女達の会話を聞いていた王はポカーンとしていた。
「では、私達は書斎の方に行こうか」
「はい」
階段を上がり突き当たりの扉を開けた部屋は壁一面が本棚でその本棚すべてに沢山の本がぎっしりと入っていた。
この部屋にはこの世界のありとあらゆる種類の本があるのだろう。
「ここにくるとティアとフレイアは庭園で花を見ながらティータイムを、私はこの書斎で本を読むわけだ」
「私は本を読むことが趣味なんだ、ショウ殿は本が好きか?」
机の上に置かれたメガネをかけ一緒に置かれた本を開きイスに座った。
「僕も本は好きで、家に400冊以上は持ってます」(マンガとラノベとは言えない...)
「それはすごい!気が合いそうだな」
ふと、机の上の置かれた本に目をやる。
「これは...」
机の上の本をまじまじと見るオレを見て「フッ」と王は笑った。
「やはりショウ殿...そうだったか」
「なんですか?」
「「京一」この名前に聞き覚えはあるだろう?」
「なぜ、その名前を?」
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