{第三十話} ネクタイを締めると心も引きしまる

「チュンチュン」

部屋の窓にとまっている小鳥の囀りで覚ます。

「朝か...ふぁ~」

あくびをし、横を見ると近距離に「スースー」と眠るネラの顔が

「うわ!」

ベットから転げ落ちる。

「びっくりした~」

ベットから落ちた音を聞いたのかネラが目をさました。

「おはようございます...マスター...」

髪もぼさぼさで服も...着て無い!?

「ネラ、服は?!」

まだ半分寝ている様子のネラに聞く。

「私、寝るときは服を着ないので...」

ぼさぼさの髪を手でとき、目をこすりながら答える。

「とりあえず何か着てくれ!目のやり場にこまる!」

顔を赤くして手で顔を隠す。

「わかりました、着替えますね」


数分後...


「もういいですよ」

そこには、いつも通りのメイド姿のネラがいた。

オレは服を着たまま寝たからな...

「朝食は何にしましょうか?」

ズボンをはき、スマホの時計に目をやると「6:45」と表示されていた。

「ヤバイ!時間が無い!あー名前が出てこない、あのクッキーみたいなブロック」

「わかりました」

ネラの手の上にブロック状のクッキーが2本入った黄色い箱が出る。

「そうそう、これこれ」

急いで着替えて、クッキーを口のくわえながら走って宿を飛び出る。

「ミイ、起きてる?」

「はい、おはようございます...」

眠そうにウトウトしたミイが肩の上に座る。

「団長との約束の時間に遅れそうなんだ、眠いところ悪いんだけど本部まで道案内してもらえる?」

「わかりました...」

やはりどこか眠そうな道案内を聞き何とか時間前に本部に着いた。

「なんとか...ミイ、ありがとう休んでて」

「わかりました!なにかあったら呼んでくださいね!」

どうやら眠気は覚めたようだ。

「おお、ショウ殿!朝早くに申し訳ない」

こちらに気づいた団長が手を振っていた。

「おはようございます、アルギさん」

本部は昨日より忙しそうで、兵士達が走り回っていた。

「ショウ殿の後ろにいる女性は?」

後ろに立っているネラを見て言う。

「え?いつの間に...?」

そこにいたネラの格好はいつものメイド服ではなく、この世界での普通の服だった。

「友人です、人数は多い方がいいかと思いましてw実力は僕が保障しますし信用できます」

「そうでしたか、助かる」

「どうも、ショウさんの友人のネラともうします」

「私は、ハネット王国、王国騎士団、騎士団長、ボース・アルギ」

「よろしくおねがいします」

「こちらこそ、よろしくおねがいする」

「今日の予定はなんですか?」

団長は丸くした紙を広げ、説明しはじめた。

「ショウ殿はまず、このあと王室に行き姫様ならびに王達に私と一緒に挨拶しにいきます」

「そして、集まった民衆達に挨拶をしたあと少ししたら姫様を馬車にのせて街中をパレード」

「それが終わったら、昼食かねた休憩」

「休憩が終わりしだい、今度は来客に姫様が挨拶しに行きティーパーティー」

「夜には誕生パーティーがあります」

「そして、ショウ殿とネラ殿には今日1日姫様と一緒に行動して護衛を頼みます」

深く頭を下げる。

「頭を上げてください、わかりました」

「こちらが、パレードのルートが載った地図です」

「では、王室の行きましょう」

「歩いてですか?」

「いえ...」

すると騎士が馬3頭連れてきた。

「では、ショウ殿いきましょう!」

団長はもう馬にまたがっていた。

「は、はい!」(はぁ~夏休にじいちゃんにつれられて乗馬をしたのが今生かされてるわw)

ネラはなれた様子で普通に馬にまたがっていた。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 


数分馬を走らせる。

姫様の誕生日だからか、町が活気立っていた。

「ショウ殿、ネラ殿!ここが王室だ」

団長が指を指した先に豪華な大きな屋敷が見えてきた。

「お~大きい!」(小学生か!オレは!)

屋敷の門の前に執事が立っていた。

「お待ちしておりました、騎士団長殿...こちらは?」

「私が姫様達の護衛を頼んだショウ殿とネラ殿だ!実力は私が保証する!」

「ど、どうも...」

「そうでしたか、本日は姫様達をよろしくお願いします」

「こちらこそ、お願いします」

「では、どうぞ中へ」

「ギギギ...」左右の門番が門をあける。


門を潜り敷地内に入り建物の中に入り長く広い廊下を抜け、部屋に案内される。

「準備がありますので、騎士団長殿、ショウ殿、ネラ殿はここでお待ちください」

そう言うと執事は部屋から出て行った。

「ショウ殿、ネラ殿、私は少し席をはずす」

「どこに?」

「この屋敷を警備する騎士の様子を見に行かねばならないので、すぐもどる」

そういい部屋から出ていった。

「あぶね~wそういえばいつメイド服を着替えたんだ?」

「簡単ですよ」

ネラの足物に魔法陣が現れ、魔法陣が地面からネラの頭の上に移動したかとおもうとメイド服に着替えていた。

「すげ~!」

「便利ですよ」

「着替えで思い出したけど今から王様達に会うのにこの格好はマズくない?」

「マズいですね...」

「何を着ればいいと思う?」

「こういう場合はやはり正装ですかね」

「じゃあ、スーツかな?」

「そうですね」

「わかった」

ネラのように魔法陣を足元に出現させスーツに着替えネクタイを閉める。

「なんか、気合が入るな」

「そうですね」

「ネラのスーツに着替えるか?」

「わかりました」

魔法陣がネラの足元に出現しスーツに着替えた。

「おー」

いかにも「仕事できます」感が出ていた

「どうですか?」

シャツの襟のボタンをつけながら聞いてきた。

「なんか「仕事ができる女性!」見たいで、カッコイイよ!」

「そうですか...」

ネラの顔は少し赤くなっている様に見えた。

「すまない、今戻った!」

そこに騎士団長が勢い良く扉を開け、帰ってきた。

「ショウ殿、ネラ殿、その服は?」

「スーツという服で、王様達に会うのにちゃんとした格好をしないといけないと思いまして」

「そうでしたか」

少しすると「コンコン」っと扉をノックする音が聞こえた。

「はーい、どーぞー」

返事をすると執事が静かの扉を開け帰ってきた。

「準備ができましたのでこちらへ」

部屋を出て、廊下を進みおくの扉の前に案内された。

「こちらで、旦那様たちがお待ちです」

そういうと、ノックしドアノブに手をかけて扉をあけた。

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