寄り道 十月十二日~二十二日
私の職場は半週休二日制です。日曜日休みの翌週は土・日休みに、その次の週は日曜日休みとなる訳です。心は十代のバイク小僧のままですが体は四十五歳、すっかり歳をとってしまいました。
「休みが日曜日だけの週は基本的に休養です。十月十七日はプレスカブの修理をお休みしました」
翌日からの仕事に備えて作業は控えめにします。作業は殆どしませんが、このエッセイを書いたり部品を集めたりはしています。今回は二〇二一年十月十二日から二十二日にかけて買った物と出来事を少々書いていきます。
「私はとあるホームページを参考にホンダゴリラを組み立てました」
今から六年以上前の出来事です。その後は手練れのモンキー・カブ系ユーザーの掲示板でのやり取りを眺めているだけでした。とある日の掲示板に『敷居が高いように思われてるけど初心者でもお気軽にどうぞ』みたいな書き込みがありました。それでちょこまかと質問したりパーツリストの内容を書き込んだりしています。
「たまに部品のやり取りもします」
私がホンダゴリラやカブ初号機を組んだ頃はヤフオクに使えるジャンクがたくさん出品されていたものです。今ではジャンクは本当のゴミ(じゃない場合もあるが)だとしか思えない部品ばかりが出品されています。いつもの様にヤフオクを覗いてから某掲示板を見ると気になる書き込みが。
「なになに? 『ジャンクのフロントフォーク余ってませんか?』やと?」
幸いな事にプレスカブから外した亀裂・歪み有りなフロントフォークが物置に転がっています。今度の金属ゴミ回収日に向けて斬鉄剣(金鋸)で「今宵の斬鉄剣は一味違うぞ!」と言って細かく切り刻む予定でした。もちろん斬ったら「つまらぬ物を斬ってしまった……」と言うつもりでした。
「ふ~ん、ステムシャフトを使いたいんやな」
書き込みしたユーザーさんはハードなバイク弄りをされているようで、カブのステムシャフトを何かのフロントフォークと組み合わせる様です。シャフトさえ使えれば問題が無いとのことでした。管理人はジャンクのカブを持っているみたい、だけど分解しなければ部品を提供できないときたもんだ。
ゴミとして捨てるくらいなら、一部だけでも何かに使われる方が良いだろうと返事をしました。部品を欲しがっているユーザーさんは「斬るのは大変だからそのままでイイです」との事でした。
「送料が安い方が良かろう」
不要な部分を斬って発送です。サンダーを持たない私に気を使ってくれたんですね。でも、私は斬りたかったのです。「つまらぬものを斬ってしまった」と言いたかったんです。
「つまらぬ物を斬ってしまった……」
プチプチのビニールで包んでから適当な箱に入れて発送です。箱にスペースが有ったのでカブ五〇の遠心クラッチをオマケしました。古いモンキーの遠心クラッチをアップデートするんだとか。私の手元で出番を待つより良いでしょう。
そんなこんなで十七日の午前は終了。
午後はチョットだけキャブレターを触りました。十五日に到着した『D型エアスクリュー用ドライバー』の出番です。
「回せるけど、ガタが大きいな……」
とりあえず回せたのでエアスクリューは外れました。問題は何故かエアスクリューが元通りに組めない事。
「う~ん、来週まで保留!」
ワッシャーとOリングの順番は間違っていないのに上手く組めない。こんな場合は一旦作業を止めて考えます。十七日は妙に寒かったので翌週(十月二十三・二十四日)に持ち越しです。
「焦って作業してもロクな結果になりませんからね」
どうも購入したドライバーがよろしくないようです。エアスクリューの頭に-溝を掘ろうと思います。老眼が始まった自分には厳しい作業ですが頑張ります。
実はフロントフォークを斬る前に扇風機を片付けています。親父が思いつきで物置から扇風機の空き箱を取り出して分解した扇風機を箱に納めたまでは良かったのですが、そこでで力尽きたようです。「物置に在るバイクを傷めたらどうなるかわかってるな?」と常日頃から言っていました。気を使って物置から扇風機の箱を取り出したら疲れたようです。
物置はバイクの部品で大変な事になっています。だから「今度の休みに片付ける、物置を触るな」と言っていたのですが(笑)
「父は私に『思いついたから』と言い訳しない人です」
言い訳しないのは理由が有ります。父は『思いついた』と私の顔を見るたびに何か作業をして、途中で投げ出した過去が有ります。少なくとも十七回以上です。それ以上は数えるのを止めました。
「そこで思いついたんです」
私は休日の予定を狂わせ続けた父を叱りませんでした。それどころか「思いついたんやから仕方がないな……思いついたんやもんなぁ……」と父が途中で投げ出した作業や思いついた作業を淡々とこなしたのです。父は調子に乗って色々な作業を言いつけ続けました。そして年度が変わった四月。
「年度が変わって数日後に『思いついたから』とジャイロXを登録したわけです」
年度が変わってから登録したのは数か月で一年分の税金を払うのが嫌だったから。二か月乗っただけで一年分の関金を払うなんて馬鹿馬鹿しいでしょ? それくらい考える頭は在ります。
「ナンバーを取り付けていたら父が『どうしてナンバーがっ!』って驚いてました」
どうして体が一つなのに乗る物を増やすのかと怒りまくる父に「思いついたんやから仕方が無いやろ? 良いも悪いも親に似るっていうてな……」と懇々と説教をしました。最後に「ま、思いつきで人を動かすのも程々に」と言ってから用事は一週間前に頼んでくるようになりましたね。
このエッセイを書いているのが十月二十二日、入札していた部品が高値更新されました。もうチョットで落札って時に爆上がりです。
というわけで、明日(十月二十三日)はキャブレターの続きからスタートします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます