首なしプレスカブ⑪アンダーコート塗布・テール周り組み付け

 どうも、『いろいろとうるさい事を言う人』です。ええ、あまりにリアリティがないクルマ小説には一言物申しますとも。こっちはリアルにスーパーカブを直してるんんだぞ? 時には北見さん、時には高木のおっさん。そしてまたある時には富永さんをやってるんだぜ?


 解らん人はクルマ関係のエッセイなり物語を検索してくださいねって事で首なしプレスカブの続き。


 前回はリヤフェンダー内側を洗ったり、ハンドルに塗装をしていましたね。今回はお昼ご飯を食べてからの作業です。午後はリヤフェンダー内のアンダーコート塗布からスタートです。


「錆封じを塗って数時間が経過しました。錆封じは……ほぼ乾燥していますね。錆びた部分の色が変わっています。成分が錆びに浸透したと信じましょう」


 錆に浸透して固めるタイプの錆止め剤はホンダゴリラの組み立て時にも使いました。その時に使ったのは『RP-一』だったかな? 六年ほど経ちますけど錆びてタンクに穴が開いたり錆汁が流れ出た形跡は在りません。完全乾燥よりもちょっとネチャついてるくらいで塗装するほうが塗料と強力に密着するそうです


「余計な部分までアンダーコートを塗ってしまわないように、塗りたくない部分を覆っておきました。これを『マスキング』といいます」


 塗膜が分厚いゴム質になるアンダーコートは塗装面に着くと除去するのに手間がかかります。マスキングさえしておけばスプレーしても余計な部分にアンダーコートが着きません。


「マスキングは養生シートやマスキングテープで行いますが、広い面積の場合は新聞紙などと併用してもよいでしょう」


 では、さっそくアンダーコートを吹き付けます。今回使うのはスプレータイプの物です。プロならエアーコンプレッサーを使ってガン吹きするところですが、悲しいかな私はプライベーターです。エアーガンを使えるほど大容量なコンプレッサーは持っていません。


「幸いな事にエンジンなど重い部品が付いていません。壁に立てかけたりひっくり返したり、色々な角度からスプレーして隙間なくフェンダー内にアンダーコートを塗布します」


 アンダーコートの乾燥時間はテールレンズやウインカーなどの車体後部に付く部品を組んでいきます。フロントはハンドルの塗装が乾燥するまで作業できません。ハンドルはクリヤー塗装をすれば塗装終了なのですが、クリヤーを切らせてしまいました。


「私の作品内で主人公が『段取り八分仕事二分』と言っています。準備が出来れば仕事の八割は出来た様なもの……なんて言わせているし、整備士時代にも言われていたのになぜ出来ない!」


 配線を束ねるプラスチック製のクランプは新品を買っておきました。この部品は経年劣化で割れやすい部品です。カブのウインカーって何気に面白いんですよ。水色の配線は右でオレンジの配線は左。『み』が付く方が右です。


 決して「じゃあオレンジはどうなる? 『みかん色』やろ』とか言わないよーに。


「おおっと、テールレンズとウインカーを取り付けた途端にカブらしくなりました」


 ウインカーとテールランプの配線もしてしまいます。通常なら燃料タンクを外す作業が有るのですが、今回は塗装するのに邪魔だったから外してあります。


「純正の配線ですから同じ色同士を繋いで配線終了です」


 ここで予想外のハプニングです。テールランプを取り付けたらカブを持ち上げる時に掴むところがなくなりました。まぁ軽いから別の部分を持っても大丈夫ですが。


「次回はハンドルの仕上げ塗装とグリップ兼荷台の取り付けです」


 ダークブルーマイカはクリヤー塗装をすることによりどう変わるのか? 持つ所問題をどう解決するのか? 新たな部品は発掘されるのか? 九月十二日の作業はここまで。


 次回をお楽しみに。

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