秘密基地を作る③照明が欲しいぞ

 作業台兼部品棚を作った次は照明の設置です。薄暗い中で作業をしていると目が悪くなってしまうだけでなく、ノギスの目盛りが読みにくかったり、部品の傷が見えずにダメな部品を組んでしまったりします。実は今までもキャンプ用のカンテラや自動車バッテリーに繋げて家電を使う為のインバータは使っているのですが、前者は手軽ではある物の明るさが足りず、後者は自動車用バッテリーの準備や機械そのものの扱いが面倒です。特に自動車用の鉛蓄電池は充電時に水素を発生させるのと、バッテリーそのものの持ち運びが重いので考え物です。工事をして100V電源を引けば万事解決ですがそんな資金は有りません。


「明かりとちょっとした家電が使える程度で良いかな」


 昨今のバッテリーは進化が著しく、車中泊やキャンプ用のポータブル電源でリチウムイオン電池を使った物が出ています。トラック用の鉛蓄電池ほどではないけれど軽い割に容量があります。


「外部電源は使った事が無い。入門用の奴を買ってみようかな……中古で」


『外部電源・車中泊』で検索をしていると聞いた事の無いメーカーの150wの外部電源が出品されていました。値段は送料別で5000円でした。容量は小さいけれど大きさも小さくて外部電源とはどんなものかを勉強するのに良さそうです。


「高いのか安いのか解らんけど、アカンかっても笑ってすませる値段や。行ったれ!」


 あまり人気が無いのか競る事無く終了しました。落札から数日が経ちまして、ポータブル電源が届きました。箱の中には煉瓦くらいの大きさの箱が入っていました。


「こんな小さな軽い電源で150Wワットなぁ、世の中進化するもんや」


 150W/hと言えば60Wの白熱電球が2時間少々点けられるくらいでしょうか。限られた電力をなるべく使わずに明るい照明を灯すとなればLEDの一択でしょう。


「どんなタイプのLED電球を買えば良いんやろう?」


 LED電球は比較的光が拡散しないので照明の真下以外が暗く感じる事が有ります。ところがLED電球も進歩しているもので、光を拡散するタイプも出ているようです。以前より安い物も出ているのでソケット付き延長コードと組み合わせて使う事にします。倉庫を片付けていた時に見つけていたのでそれを使います。


「LED電球は明るさの単位が違ったんやったな」


 色々調べると白熱電球の60W相当のLED電球が810ルーメンとありました。おおよそですが1W=13.5ルーメンです。100W相当の明るさなら1350ルーメンってところでしょう。


「えらく値段が違うなぁ」


 同じ様な明るさのLED電球がP社とI社で倍以上値段が違います。P社は良い物を作るんですよ。質実剛健と言うか、使う機能は押さえて要らない機能は省いてその分壊れにくいイメージで好きなのですが、値段が倍以上違うとなれば多少の信頼性の差は承知の上でI社の物を買うことにしました。


「ま、2000円やったらアカンでも仕方ないわ(笑)」


 ナイロンロックでソケット付き延長コードを天井へ這わせ、電球をセットしてコンセントをポータブル電源へ繋ぎます。ポータブル電源のスイッチを入れると薄暗かった物置の中がパッと明るくなりました。


「あ~、やっぱり電球に背を向けて作業するし手元が影になるわ~」


 物置の真ん中あたりに電球を取り付け、壁際の作業台に向かって作業をすれば手元が影になるのは当たり前です。それに気が付かないほど京丁椎はおバカではありません。じつはソケットの部分にフックを付けてあります。好きな所へ電球をぶら下げて物置のどこで作業をしても大丈夫なようにしてあるのです。


「明るさが100W相当で消費電力が10W少々とは大したもんやなぁ」


 これで雨や雪が降っても戸を閉めて作業できます。残念ながら安くで買ったポータブル電源は冷暖房まで使えるほどの容量が無いので夏は暑く冬は寒いある意味冷暖房完備ですが、とりあえず作業が出来る様になりました。


「冬になったら火鉢を出すか、炭も有るし、湯も沸かせる」

※一酸化炭素中毒になる恐れがあるので、家族から使うなと言われました。


作業台が完成して照明も付きました。次回は少しだけ作業をしてみようかと思います。

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