ジャンクはゴミ?それとも宝の山?
『ジャンク・難あり』
ネットオークションを見ていると、よく見かけるタイトルです。
この言葉に引き寄せられるのは、私がジャンク・難ありだからでしょうか?
ジャンクとは『ゴミ』と言う意味です。
出品者の中には『ゴミだから使えなくても責任取らないよ』と
クレーム・返品に対する責任逃れとして使う場合がある様です。
『ゴミと言ってるのに、勝手に高値で買ったんでしょう?』みたいな感じですね。
中には良心的な出品者もいます。実用として使える品物だけど、若干の欠品や破損が在る場合塗装が少し剥げているとか傷が在るからジャンクとして出品される方、
『完璧じゃないからジャンク。それでよろしければどうぞ』みたいな感じでしょうか?この手のジャンクは大当たりな事が多々あります。
で、そんな当たり外れのあるジャンクですが、スーパーカブの部品に関してはジャンクであっても掃除したり磨いたりすると使える部品が多い気がします。
出品者としてはゴミの山だけど、そのゴミに宝物は含まれている訳です。
それでは始めましょう。ジャンクハンター京丁椎のお宝大作戦。
今回のお宝大作戦は『カブ90 ジャンク』で検索してみました。
おおっと、なかなか良さ気なジャンク部品が出品されています。
「ゴチャゴチャとカブのクランクケースや細かな部品がケースにゴッソリと入っています。今回はこれを落札してみましょう。ん~、画像を見た感じだと何点か
探していたけど普通に買うと結構な金額のする部品を発見。早速入札です」
100円からスタート。大して競る事無く、500円くらいで終了しました。
ジャンク部品はクジ引きの様な物。駄目でも諦めが付く入札額で抑えましょう。
「ここで熱くなってはいけません。出品者の思うがままです」
ジャンクは所詮ジャンク。出品した側にも届いたジャンクを夜中に正座して整頓する手間分、安い落札額で我慢してもらう事にしましょう。
送料込みで1000円くらいのジャンク部品。さぁ、箱を開けてみましょう。
入っていた物はカブ90を4速化した場合に残る部品でした。4速ミッションを抜いたカブ50カスタムの部品と4速化で余ったカブ90のミッションです。
お楽しみの鑑定タイムです。
チャラララララ~♪チャラララ~♪
何処かで聞いたような曲に思えるかもしれませんが、筆者オリジナルです。
「どれもこれもオイルまみれです…でも、錆びてしまうよりは良いでしょう」
まずはカブ90のミッション一式。これはそれほど使い様は有りません。
スーパーカブ90が4速ミッションだったら世界が変わると筆者は思っています。
50の3速ミッションが手に入ったら組み合わせて遊べるかもしれないので取っておきます。作者はカブ50のエンジンは持っていません。
さて、スーパーカブは排気量が違うと微妙に部品が変えてありまして…
カブ90のキックスピンドルAssyは社外製ミッションを使う場合に使えます。
カブ50のキックギヤが21Tなのに対し、カブ90はキックギヤの歯数が22T。
ラチェットも強化されています。これは海外生産モデルと共通なのかな?
海外で走っているカブのミッションに組み合わせる事が出来ます。
「新品でも用意できますが、案外高価なので大事に残しておきましょう」
新品で買えば5000円くらいでしょうか?中古でも1000円では買えないかな?
これだけで元を取った気分です。掃除・注油して大事に取っておきます。
さらにカブ50カスタム用のプライマリードリブンギヤ―が入っていました。
「セル無しの3速モデルより少し薄いギヤです。フリクションが減り、エンジンのレスポンスがよくなるらしいです。体感できるかどうかは分からないけど嬉しいチューニング部品です。新品で買うと5000円はするはず」
軽快な受け上がりになるかもしれない反面、トルクが減るとも言われていますが純正部品なので極端に影響することはないでしょう…多分。
これも掃除してエンジンオイルを塗って保管しておきます。
「プロに任せても良いのですが、自分ですれば500円の節約です」
※根拠は有りません。言ってみたかっただけです。
まだまだ部品の整理は続きます。
おおっと、遠心クラッチが丸ごと入っています。
「2機目のカブ90のエンジンは4速化するついでに強化クラッチに交換してあります。
カブ90用のクラッチスプリングが余っています。これをカブ50のクラッチに使えば、微妙に強化クラッチの出来上がり。点検ついでに分解をして、少しだけ強化クラッチにしてしまいましょう」
本格的なボアアップには適さないかもしれませんが
「クラッチを強化している気分になります。余っていたら流用しましょう」
掃除してオイルを塗って保管します。掃除は分解して行います。クラッチプレートの厚みを点検してみたら使用限度内でした。ラッキーです。
「ん?変ですねぇ…クラッチウェイトの数が多いですねぇ」
ジャンク箱に入っていたのはカブ90の遠心クラッチでした。
そのままでカブ50・70の強化クラッチとして使えます。ラッキーです。
何故4速化した時にカブ90用遠心クラッチを使わなかったのでしょう?謎です。
「社外製だと同じくらいの性能の物が1万円以上します。大事に残しておきましょう」
クラッチハウジングは耐水ペーパーで磨くと予想外に光ります。
自己満足で磨いてみるのも良いでしょう。
「やあエド…何だ、全然片付いて無いじゃないか」
「マイク、良く見ろよ。部分別に掃除して分けたじゃないか」
謎の外国人が乱入しましたが筆者がふざけているだけです。
あとはボルトやステーがごちゃごちゃと入っていました。これも何気に嬉しい部品です。買うと高いんですよね。在るにこしたことが無い部品です。
これも清掃後、オイル漬けにしてジップロックで保管します。
カブカスタム50のクランクケースはセルが付いているのですが、右のクランクケースはセル無しと共通部品。私が弄るのはセル無しばかりなのでこれもキレイにして保存しておきます。
エンジン内部のクラッチ周りやドラムストッパーなど細かな部品も灯油で洗って保存します。遠心クラッチ周りの細かな部品が多かったですね。
「部品の洗浄に灯油を使う時は火気厳禁です。注意しましょう」
パーツクリーナーで汚れを落とすのも悪くは無いのですが、高価です。
「灯油とブラシで頑固な汚れを落としてから、仕上げに吹くのが良いでしょう」
部品が部品を呼び、余った部品が別のエンジンを生み出して蘇らせるカブ地獄。
マドハンドとまではいきませんが、カブは仲間を呼ぶみたいです。
…と、当たりのジャンク部品は買えるとラッキーです。
ハズレを引く事も在りますが…ジャンクですからね。
最近のジャンク部品は魅力的な物が減ったように思います。
カブはまだマシなんですが、普段の足として乗っているゴリラの部品なんて半年前は『ジャンク』で出ていた新車外しの部品が今では『当時物』『希少』となって、高値で取引されています。
そのうち“ジャンク遊び”と言う名の宝探しも出来なくなるのかなぁ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます