第2話 ルリタテハ王国の神様の所業

第1章前半 エレメンツハンティグの始まりは、”ダークマターハロー”

 ルリタテハ王国公認のエレメンツハンターとなったアキトは、最新鋭恒星間宇宙船”ユキヒョウ”で宙を翔る。

 ただし、公認とはいっても、広く知られている訳ではない。

 それはアキトの事でもあるが、エレメンツハンターという職業が、だ。

 エレメンツハンターという職業に就いているのは、ルリタテハ王族、または王族に関わりのある者だけだからだ。

「ここ、ヒメジャノメ星系じゃないぜ。ジン」

 アキト初のエレメンツハンティグへと、ユキヒョウはヒメシロ星系からヒメジャノメ星系に向かっているはずだった。

「如何にも」

 ジンは重々しく肯いた。器用なことに、ぞんざいな態度でだった。

「恒星がないんだから、一瞬で分かることだわ。それを、わざわざ確認する意味があるのかしら? もう少し、落ち着いたらいいわ」

 風姫が一々尤もな事実を突き付けた。

 可憐さと気品、高貴のオーラを纏っている所為か、一層厳しく耳に響く。

 そう、星系というには恒星がある。しかし、近くに恒星の姿かたちが全く見当たらない。

「まったくアキトも、そろそろ分かっても良いと思いますよ」

 惑星ヒメシロを出発してから、彩香はアキトに”君”をつけなくなっていた。

 そんなことを気にするアキトでもなく、彩香の言葉を無視してジンを詰問する。

「ユキヒョウに、ヒメジャノメ星系へのワープ航路を設定するって言ってたよな」

 アキトの台詞をジンが即座に肯定する。

「うむ。それは間違いない」

 ユキヒョウの性能なら3回のワープで可能な距離だった。そして、3回目のワープの設定は、ジンが受け持った。

「なんで、こんな所なんだ。それとも間違えたってのか?」

 相手は、現人神とも呼ばれる一条隼人のなれの果てだ。

 ルリタテハ王国の市民としては、アンドロイドとなったとはいえ、敬意を払うべきなのだろう。

「面白くなるからだ。そもそもエレメンツハンターとは、ダークマター鉱床を発見する職業だ。我は神なり、神の御心とは計り知れないもの。故に、人には理解不能。汝らが理解できないのは無理もない」

 敬意なんて払えるか! ポンコツなんちゃって神様に敬意なんて必要ない。彩香が何と言おうと、今後もジンは呼び捨てにしてやるぜ。

「ここはダークマターハローだぜ。どうすんだ?」

 ダークマターハローとは、ダークマターの濃い宙域だ。

「ダークマターはレーダーで探知できねーんだろ? 何か、自分で言ったことすら忘れたのか? それとも、ユキヒョウにはダークマターを探知できんのかよ?」

 いくらルリタテハ王家特製の最新鋭恒星間宇宙船”ユキヒョウ”でも、レーダーで探知できない物体を避けられるはずもない。

 ジンが冷めたい微笑みを浮かべている。絶対に何かを、しかも幾つも隠している・・・そんな顔をしていた。

 そういえば、グリーンユースと交戦した時に風姫がほざいていたな。水龍カスタムモデルの索敵システムと同じものをユキヒョウに装備していると・・・。つまりレーダーの他に重力波測定装置などの各種測定装置を備えている訳か・・・。

 ダークマター探知は大丈夫としても、もう一つ大きな問題がある。

「それに、こんな所はワープ航路図に載ってないぜ。どう帰んだ」

 速水史帆は恒星間の宇宙船乗りでないため、漸く気づいたらしい。

「ウソ・・・ワープ航路図に載ってない・・・」

 ワープを間違えると一生戻れないこともある。

 偶に、コールドスリープのない恒星間宇宙船が発見される。そこには、干からびた死体が乗っているのだ。

 史帆がコンバットオペレーションルームの航法コンピューターに、ルーラーリングでアクセスしているらしい。中央に3Dホログラムが出現し、緑の線で航路図が映し出される。

 平面の大型メインディスプレイには、ここのダークマターハロー”カシカモルフォ”に関する情報が出力される。

「・・・帰れない」

 悲愴感に満ち溢れた史帆の声に対して、ジンが厳かに宣言する。

「我は7年間かけてワープ航路を開拓し、ルリタテハ王国へと帰還したのだ。何の心配もない。汝ら安心せよ」

 むしろ心配が倍増だぜ。

 風姫と彩香がニヤニヤとほくそ笑んでいる。イヤな感じだ。

「オレは冒険したいけどよ。漂流は、したくねーぜ」

 トラブル、荒事上等の連中と、一緒にエレメンツハンティングが可能かどうか再考したい。いや、再考させてくれ。

「どうにもならない場合は、我の秘奥義をみせてやろう」

「どうにもならない前に、帰還してください。ジン様」

 彩香が少しキツメの口調で、ジンに苦言を呈した。

 笑みを浮かべてなければ、少しは信用できるが・・・。コイツら、揃いも揃ってポンコツなんだ。

「それより秘奥義とやら、今訊いてもイイか?」

「ダメだ」

「オレが船長だよな?」

「私が、この船のオーナーだわ」

 麗しい声で風姫が語った。

「我は神だ」

 傲然とジンが宣った。

「わたくしは、船の支配者」

 冷然と彩香が物申した。

「私がいるんだから、大丈夫だわ」

 妖しく微笑みを浮かべる風姫の2つ名は、妖精姫の名こそ相応しいと思えてくる。しかし、もう一つの2つ名の示す実力が、風姫の自信の源なのだろう。

「どっから、そんな自信が湧いてくんだ。それとも何か、ダークマターハローを破壊しつくすとでも言うのかい。ルリタテハの破壊魔さんよ」

 そんなお姫様に対して不遜な態度で、アキトは皮肉な物言いをした。しかし、それ以上に傲慢不遜で尊大なジンの態度の前では霞んでしまう。

「ここには、我の協力者を迎えに来てやったのだ。これでエレメンツハンティグとルリタテハ王国の技術革新が加速する」

「協力者だ? ・・・そんな危篤なヤツが、ルリタテハ王国にいんのか? イヤ・・・待てよ。決して、絶対に、確実に、相手が喜んで参加する訳はないぜ。なあ、そうなんだろ。違うか?」

「うむ、相手は民主主義国連合の市民だぞ。喜んで協力する訳なぞないだろう」

 流石はルリタテハ王国の唯一神だ。そして、我が道を往くの『Going my way』をもじって『強引がマイウェイ』という異名を持つジンである。

「脅すのか?」

「命の貸しは、命で返してもらう。そろそろ良い時期だしな」

 ああ、このパターンか・・・。

 アキトは顔を顰めつつ、理解した。被害者が、もう一人いるのだと・・・。

「でっ? ソイツは何をす・・・」

 突然、風姫とジン、彩香が動き出す。

 コンバットオペレーションルーム内は、静かに整然と戦闘準備状態へと移行した。

「アキト。あなたには、わたくしの補佐を命じます」

 3Dホログラムがワープ航路図から周辺航宙図に変わる。

「待てや! オレが船長だよな? 何が起きたんだ」

 大型ディスプレイには宙域の詳細情報を映し出された。

「慌てるでない、アキトよ。ロイヤルリングをユキヒョウの戦略戦術コンピューターに繋ぐのだ。所謂ハロー警報というものだ」

 まさか波浪警報にでも掛けているのか?

 疑問を口にすると負けのような気がして、アキトはロイヤルリングで確認した事実を口にした。

「そんなの体を張ったダークマターとの衝突実験だぜ」

「違います。アキトにユキヒョウの防御システム”舞姫”の習熟訓練をしてもらう為の機会ですよ」

 不利な議論からは撤退し、他の論点から突破を計る。

「警報音が鳴らないのは故障か? 最新鋭の機器すぎて品質が担保されていないんじゃ意味ねぇーぜ」

 全船員に状況を知らせ、即座に戦闘態勢へと移行せねばならない。

「この船は、貴賓船である。警報音などという無粋なものは必要ない」

 必要な人員以外には知らせない。それは、非戦闘員がパニック状態に陥るのを防止するのには有効だが・・・。

「どう見ても、この船に搭載している装備は戦闘用だぜ」

「それはジンの趣味だわ」

 貴人を接待できる豪奢な設備はある。しかし、招待客が乗っているのを見たことないんだが・・・。

「何なの?」

 史帆が慄き呟いた。

 エンジニアとしては優秀らしいが、荒事には向いてないようだった。

「史帆は風姫と、席に体を固定してコーヒーでも飲みながら、世間話でもしていれば良いのだ。うむ。このぐらいのダークマターハローなら、4時間ぐらいでくぐり抜けられるな。それに3時間ぐらいなら突入を遅らせられる」

 ジンが自信満々で、偉そうで、というより傲慢な口調で言い切った。

 ああ、いつもの様に傲岸不遜な平常運転ぶりだぜ。だが、ジンがあの様子なら大丈夫なんだろうけど・・・。

「それではアキトに2時間訓練。1時間の休憩。その後、4時間の実戦訓練。訓練は、わたくしが担当でよろしいでしょうか?」

「我がアキトを訓練してやろう。彩香は好きにするが良い」

「それでは、お言葉に甘えさせていただきます。アキトの邪魔をしてはいけませんので、お嬢様と史帆さんは、わたくしと一緒にきてください。実戦訓練が始まったら、アキトの醜態・・・ではなく活躍を見物・・・ではなく応援に戻りましょう」

「そうね。私が舞姫を操る必要がないなら、実戦訓練が始まったら戻ってくるわ。アキトの醜態・・・ではなく活躍を見物・・・ではなく応援しながら、私はコーヒーでも頂くわ。ちょうどヒメシロで、薫り高く美味しいコーヒーを仕入れたみたいだし・・・」

 彩香と風姫の台詞には色々と物申したい点があるが、オレにとって一番重要なことを確認する。

「おいっ! それって、まさか・・・オレが喫茶”サラ”で買ってきたコーヒー豆のことか!」

「そうよ。史帆と2人で美味しく頂くとするわ」


 惑星ヒメシロで重力元素開発機構の桜井支部長が喫茶”サラ”でスペシャルを注文していた。

 能面老師こと桂木は、生のコーヒー豆を自分の髪の毛と同じぐらい黒くローストする。

 コーヒー豆の表面から出た油で黒く光りする様子を、同じぐらい脂で光っている禿頭の桜井が静かに眺めていた。焙煎した豆をゆっくりと、コーヒーミルで挽き始めた。

「今日はどのような用件ですかな?」

 能面老師は、ゆったりとした口調で話しかけた。

 桜井の厚ぼったい唇から暢気な口調で、剣呑な内容が紡ぎ出される。

「民主主義国連合のエンヅ共和国の協力員共と、楽しいモグラ叩き大会を催す予定になっている。参加者募集中につき、あなたは強制参加である。これは惑星ヒメシロを挙げての祭典になることだろう。私は今から楽しみで愉しみで仕方がないんだ」

 スパイ狩りの命令だった。

 さて、老師は快く応じてくれるだろうかな? 応じるなければならない理由はない。ならば、当然断るだろう。私ならば絶対に断る。

 桂木老師は、ただでさえ細い眼を更に細める。

 見えているのかどうか疑問だが、そんな事は問題ではない。

「桜井支部長に、強制されるいわれはないのぅ」

 やはり断るのか・・・。情報業を営んでいるのだから、彼の判断は当然だ。

 スパイが誰か等という正体暴きは、危うすぎる橋だ。渡る必然性がなければ、渡るバカはいない。しかし、この計画に喫茶”サラの情報網は必須なのだ。故に強制参加させる。神の御業で・・・。

「私の事を知っているのですか。それはそれは・・・。私の調査した限り、桂木さん・・・あなたは、そのような言葉使いではなかったようですな。しかし、今のあなたには、お似合ですな。・・・お歳を召された老師には、ご苦労様でしょうが・・・。さる御方から、伝言があるのです。命の貸しは、命で返してもらおう、と・・・」

 80歳以上なのに、黒く張りのある髪をオールバックに纏めている老師は、器用に右の眉をあげ片目だけ丸くする。

 どうやら驚きを顕しているらしい? もう少し衝撃を受けても良いのだろうに・・・。

「致し方なかろうな」

 あっさり? 〈命の貸しは、命で返してもらおう〉という意味が彼にとって重いのか? 神”ジン”様の言葉は重いのか?

「じゃがな、条件がある」

 やはり、そうだろう。そうでなければ面白くない。誰でも出来る簡単なお仕事が、私の役割ではない。

 桂木老師は、強制であるなら仕事として引き受けるつもりなのだろう。

 ここからは大人同士の交渉だ。

「身の安全は保証しよう。それと報酬も約束しよう。それこそ、この喫茶店の10年間分の利益を用意しよう。税務申告している利益の、ではあるが」

 税務申告していない収入があるのだろうと暗に仄めかしたのだが、まったく動揺していない。それどころか淡々とコーヒーを淹れる作業は、流れるように進んでいて、薫り高い匂いが漂ってくる。

「命の借りを返すのに身の安全も、報酬も必要はないな。条件は特に難しい事ではない。それは後程にしよう。・・・して何故に今なのかな?」

 何故に今狩りだすのか?

 これからの仕事に関わる重要な情報で、要求は妥当。

「民主主義国連合のTheWOCが、ヒメジャノメ星系に拠点を設営しようとしている」

 TheWOCは民主主義国連合の大企業グループで、宇宙船などを製造している。その中でも兵器開発が主力である。

 売上比率は兵器が7割で、その他が3割。収益比率では9:1になる。

「ダークマターハロー”カシカモルフォ”を切り取りに来たのじゃな」

 流石に元トレジャーハンターで、常にランク上位に位置していた男だ。状況が良く見えていて、頭の回転が速い。

 民主主義国連合のエンヅ星系からカシカモルフォは遠く、最新のワープエンジンを積んだ恒星間宇宙船でも2ヶ月を必要とする。実のところ距離は然程でないが、ワープ航路の開拓が進んでいない所為である。

 連続ワープによる肉体的、精神的な疲弊を鑑みると、1ヶ月以上の長期にわたる航海は避け得るのが常識である。現時点では、エンヅとカシカモルフォの中間地点にあるヒメジャノメ星系に中継地点を設営すべきだろう。

「その通り。これ以上の説明は、必要ないようですね」

「説明は必要ないが、どこまで捕まえる予定なのかは必要じゃな」

「地中深く眠っているモグラまでは必要ない。地上に出てきたモグラを一網打尽にする予定なのだ」

 巧みな比喩だと満足しつつ、桜井は上辺だけの回答をする。

「つまり誰を捕まえるのかは、決まっていないのじゃな」

 痛いところをつく・・・というより、地中にいて見えないから、桂木老師の情報網を利用するのだ。

 脂汗が頭皮からジワリと湧きだし首筋にかけて滴りそうになっているが、表情は変化させないようにする。

「そうじゃな。地中で蠢いているモグラが、誰かを知りたいのか? 捕まえる為の証拠が、欲しいのか?」

 契約内容は合意しておく必要がある。

 後で、契約不履行だ。契約になかった。追加費用が必要だ。そういった問題が発生しないようにすべきだ。

 伝え難い内容であるとしても、はっきりと宣言しておくべきだ。

「・・・両方だ」

 表情は崩していないが、老師には伝わっているだろう。なにせ脂汗が、額側にも滴り始めている。

「具体的に問うとしよう。活動しているミルキーウェイギャラクシー帝国と通じている惑星警察局局長の杉山と、第3スペースステーション管制官長の小崎の証拠を提供すれば良いのか? それとも、活動を休止している連中を誘き出せば良いのか? それならば重力元素開発機構の技術サポート部部長の古田とか、惑星ヒメシロ統括行政局の管理部部長の谷川とか、部長級なら10人ほどおるな・・・どれじゃな?」

 いきなり大物の名前が出てきた・・・。恐るべし能面老師・・・予想以上だった。

 驚きの所為で、老師に主導権を完全に奪われた。

「・・・ジン様は盛大にTheWOCを揺り動かすと仰っていた」

「方法は伺っておるのかな?」

 老師の口調は、のんびりゆったりとしているが、視線の鋭さは増していた。

 脂汗が止まらなくなっていく。

「失敗すると、ルリタテハ王国と民主主義国連合で戦争に発展するぐらいには盛大にする予定だ・・・と仰っていた」

 ハンカチで汗を拭いながら、ジン様の言葉を伝えた。

「成程、変わらず余生を愉しまれてるようで安心ですな。そしてワシは、その余生のお蔭で命を拾った。その時から、今日この日の為に準備していたのだ。ワシの人生を燃やし尽くしても構わんのじゃがな・・・。さて、ワシはどこまで盛大にモグラ叩きをすれば良いのか・・・。お薦めは、活動中のモグラは全部叩き潰す。休眠状態のモグラは、そのままにして監視をつける、というところじゃな」

 能面老師とは良く言ったもので、表情は相変わらず変化していない。それなのに、強烈な熱量の決意が漂っている。

 この不利な状況を逆転させる手札はない。そうだ。一時撤退しよう。会話を切り上げて、立ち去り、交渉の材料を揃えて出直せばいい。

「連絡方法は後で知らせよう。また後程」

「それには及ばない」

 腰を上げようとした瞬間に、老師の台詞で椅子に縫いとめられた。

「必要に応じて、ワシから桜井支部長に連絡を入れるとしようかのぅ。何処で何をしていても問題ない。第三者に悟られず、盗聴されないように伝えるからのぅ」

 気圧されて、肯くことしかできない桜井に追い打ちをかける。

「それでは条件を教えようかのぅ」

 そうだ。

 私は交渉にきているのだ。如何に有利な条件で契約するかをジン様より託されたのだ。

「ええ、拝聴しましょう」

 さあ、何を要求する?

 私の裁量範囲内で抑えることができれば、ジン様に実力を示せる。

「この街の何処かに拠点を用意することじゃ。通信用中継拠点が必要となるからのぅ」

 それだけか? いいや、そんな事はないだろう。

 どんな特殊拠点なのか? 防弾防音に24時間の警護体制、最新コンピューターといったところか? ヒメシロの最高級ホテル最上階のワンフロアでも貸切れば良いだけといったところか? それなら安いものだが・・・。

「場所の希望と必要な機材は、何でしょうかな?」

 老師の要求の本質は何か? 私の知らない何かが、情報屋には必要なのかもしれない。ここは慎重に、じっくりと聞き出し交渉しよう。

「ふむ・・・。とりあえず、この街に5拠点じゃな。それぞれ1人暮らし用の部屋であれば良いかのぅ。ただし、明日中に用意してもおうか」

「とりあえず、ということは最終的には何拠点が必要ですか? それに機材はどうしましょうか?」

「1年以上活動するようならば、その時点で5拠点追加じゃな。機材は特に必要ないのぅ」

 それだけ・・・か?

 驚愕の表情を浮かべていた。桂木能面老師との交渉は、完全に桜井支部長の空回りで終了した。

 子供の使いレベルとなってしまった。しかし、ジン様から受けた最低限の依頼だけは、果たせたようだった。

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