終末論者たちの春




ざらりと甘い春越しの 風が

水面をなぜて

さざなみは作り出されてゆく

順番に、順番に


一昨日の雨はひどく身体を青くして

今日はその色が空にまで移ったようだ

小魚は言う

小蟹も言う


号令も、ピストルの音もなく

ものどもの春は押し寄せて

茶色く濁った

小川は歌うことを思い出す


木の葉は赤く赤く赤く萌え

鳥たちは喚く

雨で消さるることのない

神代の炎は再来せりと


ざらりと甘い春越しの 風が

けものたちの頭をなぜて

さざなみは作り出されてゆく

順番に、順番に



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