絶句




息を止めることばかり

考えていて

息をしているすべてのいきものたちを

馬鹿にしている

ような

息遣い、

もう誰の目にも明らかなんじゃないか

うすらぎたない

顕示欲

見てほしくなんてない

なんてまるで嘘で、

吐き出したゲロも

流した涙も

手首の黒い血も

ぜんぶ詩だって

言ってほしいみたい、

朝が来て

脚は尾びれにならなかったよ

こんなに水が溢れているのに

指先の爪は消えなかったよ

胎児のように眠りたいのに、

息を止めることばかり

考えていて

自分が息をしていることを

馬鹿にしている

ような

息遣い、

虎よ、

あなたは

定型になれない。



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