翡翠




死んだ翡翠はどうなるのだろう

蒼くかがやく、あの鋭い生きものは


死んだすずめならば知っている

朽ち折れて、小さくなって

いつかまた土から産まれていく


死んだからすならば知っている

夜を経るたび忘却されて

朝が来るたび透明になる


ほんとうは

翡翠が死ぬことなどないのではないか


どうしてあの蒼が土に紛れられるだろう

どうしてあの鋭さを忘れられるだろう

翡翠は死なないのではないだろうか

翡翠は死なないのではないだろうか


ほんとうは

死んだことのない百億の翡翠たちが

透明な蛇の腹を下っていって

底の底の底のくらがりで

ぼくらに見つけられるのを

永劫待っているのではないだろうか


鋭くかがやく、あの蒼い宝石は



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