桐の眼
君の背中にささる
桐の眼
何処へゆこうという
宛てもなく
幽霊じみて死に絶える
君
が迷うため造られた森に
桐の眼が
みつめあう腕の落ちた傷痕
手のひらを
圧しあてればジグジグと膿む
源
その手のひらの
傷から赤い血が
赤い血が滔々と
流れ去っていく
何処へゆこうという
宛てもなく
桐の眼
が見つめていた
君の背中すら消え去った森で
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