桔梗はご主人様想いデス

 桔梗がヨガを始めた。

 しかも、和服のままだが、その辺は突っ込むべきだろうか。

 自分の作った式神ながら、よくわからない。式神が身体をほぐしてどうするのだ。そもそも、肩こりとかするのか?

「あ、悟さま、ちょっとごめんね」

 俺が机に座ろうとしたら、桔梗は俺のPCの画面を覗きこむ。

 知らない間に、画像ファイルが立ちあげられている。

 桔梗の手がマウスに伸びる。


『マイちゃん』


 いつの間にか、自分が作ったわけではないフォルダがひとつ。

「あー、悟さまも、見たい?」

 何のことだかわからず、頷くと、「ヨガ」と名付けられたファイルにカーソルが合わせられ、画像ファイルが開いた。


「じゃあ、ヨガを始めるよ」

 マイが、おそらく桔梗に向かって話しかける。

 例によって、タンクトップに短パン姿だ。

「じゃあ、こうやって、上体をそらして、息をゆっくりと吐いて、吸って」

 インストラクターのように手足を伸ばし、胸をそらすマイ。

 よく見ると、ノーブラである。

 胸のかたちがはっきりとわかり、動くたびに大きな胸が揺れている。


 俺は、ぐっと息をのむ。

「桔梗、お前、マイにちゃんと許可を取って画像を撮ったのか?」

「うん。いいよって、言ったよ」

 しれっと、桔梗は答える。

「俺が見る可能性とか、考えてない?」

 ぼそりと呟く。

「あ、一応ね、マイちゃんに悟さまに見せてもいい? って聞いたら、ヨガに興味があるならどうぞ、って言っていたよ」

 そう言って、桔梗はちょっと悪魔っぽく笑う。

「悟さまが、そーんなイヤラシイ目つきで見るとは、思ってないみたい。私って、悟さま想いの式神よねー」

 美しいマイの曲線美から目が離せない俺に、桔梗はニヤリとしながら呟いた。

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