ロスト・シャングリラ ~楽園崩壊~

作者 吉田安慧

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★★★ Excellent!!!

本作は、際立つコントラストで参ります。

硝煙立ち上るジョーク、ロマンと不穏を抱き合わせた舞台装置。
主人公達の抱く一念は、「さっさと帰りたい」。
そしてもちろん、後はまさしくお察し通り。

ただし。
死と破壊だけで終わらぬ色が、ここにあります。
極限状態の中に見る人間味。壊れ果てたかに見えて、ヒトを捨て切れない情が見せるものは、果たして。

死出の瀬戸際。あるいは生の崖っぷち。
爛れた死臭、血の通う人肌、織りなすは極彩色のタペストリー。
狂気が覆う。殺意が漲る。供物を求めて魔が吠える。
あるいは真相を追い。
あるいは生存を懸け。
あるいは救いに手を伸ばす。
真実は、出口は、人の心はいま何処。
『ロスト・シャングリラ』
楽園を追われたその果ては。