ハローズで朝食を

作者 かいしげる

25

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★★★ Excellent!!!

こう言う作品も私小説と呼ぶのだろうか。どこまでが真実なのか?は不明だが、リアリティが溢れている。
これまで、作者の作品群から"自衛隊もの"や"機械少女"を読んだが、小次郎の雰囲気は感じなかったなぁ。"機械少女"なんて、そっち方向のオタクっぽい人物にしか書けないとは直ぐに思うけど、小次郎の幼稚さは伺えない。だから、半分近くはフィクションなんだろう。
それでも、フィクションだったら、本作品みたいな結末を準備しないのでは?との穿った見方も出て来る。ネタバレ回避のために詳しく言えないが、完全フィクションなら別の結末を準備するはずだ。
本当っぽい一方で、嘘っぽい。この微妙な表現方法がリアリティを演出しているのだ。
そんな本作品を通じて、あなたも経済的に追い込まれた世界を体験してみては如何でしょうか?

Good!

他の読者も書いていらっしゃるように、本当に身に詰まされます。非正規の社員というのは、いまの社会の現実で、決して絵空事なものではありません。生きてほしいです。なにがあっても、生きてほしいです。
わが小説の主人公もなんとか生きていますが、五十を過ぎても人生のなんたるかをまったくわからず生きています。そんな男でも、誰かに愛されたくて、認められたくて生きているのです。生きることは大変ですが、いつかは報われると信じて生きて行きたいものです。

★★★ Excellent!!!

 オタクの中年男が、とつぜん母をうしない、これまでの生活が維持できなくなって金策に駆けまわり、行き詰まり、騙され、転落と失敗を重ねる……世の中あまくねえよの底辺物語。
 俺もあまり変わらない、と、震えながら読みました。

 主人公は、途中で「自分は甘かった、現実を見ていなかった」みたいに言いますけど、でも、結局最後まで、変なプライドがあるような気がします。世間の厳しさを知らない若造とか言っちゃって……

 そこを叱ることは簡単ですが、でも、俺には叱れない。
 大差ないからです。
 自分はこんなふうにならないし、なってない、こんな甘えた部分を持たない、と言い切れる人は、本当に立派な人です。

★★★ Excellent!!!

ハローズ、という激安食品の24時間営業スーパーがあるらしい。
そんな安価な食品など、と見下していた主人公の中年男だったが、
母の死を境に彼を取り巻く状況は一変。貧困にあえぐこととなる。

テンポのよい文章でつづられていく彼の体験はひたすら世知辛い。
そんな状況に陥ってしまったのも自業自得だから、なおさら辛い。
頑張れ! 生き抜け! と応援せずにはいられないが、辛すぎる。

借金、貧乏、消費者金融、総量規制、自己破産、生活保護など、
身近にありそうでよく知らない情報が体験談的に書かれている。
気になる読者は(覚悟を持って)ページを開いていただきたい。

★★★ Excellent!!!

独身、40歳すぎのある日。母を喪った。
ローン地獄。貧窮する食費。混迷する日常生活――
意地や見栄でふんばっても、1円にもならないと知った。
絶望した。『もう死ぬしかない』――

物語自体はフィクションであります。
しかし、お母様を亡くされたのちに、それまでの人生観を覆され苦悩する『馬頭の生き様』は本物です。
襲いくるさまざまな苦難苦悩に、何度もあきらめようとした。
その度にギリギリの所で踏んばる、男の生き様がまざまざと描き出されております。
このさきに希望はあるのか。何をよすがにすればいいのか。
なんども自問しながら、闇のなかを手さぐりする。
その1ページを目にした者はみんな、苦悩に共鳴してひどく胸をうたれることでしょう。
リアルとフィクションを巧妙に織りまぜながら進む物語から、目を離すことが出来ません……!!