5-1 今後の予定

どうも、焔です。前回、ヘンゼルとグレーテルが仲間に入り、次の目的地が魔王城に決まりました。




「と言うことで、今後の話をしていきたいと思います。」




 俺は、日影の出してくれた朝飯を食べ終わり食後の茶を啜りながら喋る。




「それは、良いですが焔、一晩で双子とすごく仲良くなりましたね。」




 俺はふと視線を下にするとヘンゼルとグレーテルが俺の両端を占領しくっ付いてくる。


 香蓮の持っていた湯飲みが砕けそうな程の力を感じるが見て見ぬふりをする。まぁ湯飲みが壊れたら反応してやろう。


 但し、あの湯飲みは俺のクリエイトで作ったものだから、俺以上の力が無いと壊せないがな。




「無視するな~」




 香蓮が吼えると持っていた湯飲みが砕ける。




「マジかよ、ゴリラか」




 怒りで俺以上の力を出すとは、やはり女はゴリラか。


 もしや香蓮が野菜人の可能性が微レ存!?




「んなわけあるかー殺すゾ」




「はいはい分かってますよ。と言うかここで香蓮が野菜人になったら抗えない力によってこの世界がめつぼうするわ多分。」




 俺はいたって冷静に香蓮の壊した湯飲みを消し新しい湯飲みを創り上げお茶を入れる。




「あぁちょい今朝、話ししてたらここまで好かれるようになっただけだ。やましいことなど何もしてない。」




 俺は、右にいるグレーテルの頭を撫でる。するとグレーテルは猫の様に喉を鳴らしながら顔をすりすりしてくる。




「姉様だけずるい、主様ぼくも」




 ヘンゼルが主張するように俺の袖を引っ張る。仕方なくヘンゼルの頭も撫でてあげるとグレーテルの様に喉を鳴らす。




「お前ら本当に似てるな。」




「なんか、最近ボク、キャラ薄くない?」




「安心しろアス、お前にはお前の良さがあるから。今は双子のほうが勝ってるだけだ。」




 実際俺の周りにいる奴らは各自キャラがはっきりしておりアクが強いが個性が被ることは無い。


 俺的に日影は、お姉さんや親のような安心感を感じさせてくれて、色々と手助けしてくれる頼れる相棒的な感じだ。


 アスは,男の娘のような可愛さを感じ、いじめたくなるが何か応援したくなるような感じだ。


 香蓮は、完全に幼馴染や後輩のような感じだ。


 ヘングレは完全に息子や娘と言った愛でる感じだ。




「うん、安心しろまだ、キャラかぶりは居ないから慌てるような時間ではない。」




「主、メタいよ」






 再度お茶を啜る。茶がうまい。




「よーしでは本格的に話を進めるぞ。」




 全員の空気が一気に変わり、真面目な雰囲気になる。




「次の目標は、前回も言ったが、魔王城だが、今後の拠点としてここを使う。正確には、ここで生活する。」




「でも、双子の力が解放されたからメリソスはどうなるんですか?」




「それなら問題ないよ。双子が町長だったことは、変わらないけど元から、町の人たちで決めてく方針だったから変な言い方、双子が居なくても大丈夫だよ。」




 アスの質問に対して、日影が適切に回答する。




「そういうことらしいから問題ない‥‥後は、ヘンゼル・グレーテル一つ質問だ。この屋敷の地下室に向かう階段は何処にあるんだ?」




「それなら、書庫の仕掛けを解けば有るよ。主様」


「でも良く分かりましたね。主様」




「あぁ~今朝散歩がてらこの家を歩いていたが構造的に地下室が無いと不便だと感じてな。」




 正確にはスキルのマップを使ったところ地下にも何個か部屋が有ったからな。




「んじゃ、地下室を確認後少しリフォームしますか。」




 俺は、お茶を飲み干し、席を立つ。




「日影、いつもご馳走様です。美味しかったよ。」




「お粗末様です。私は、片付けが済んだら向かうから先に行ってて良いよ」




「なら、ボクも手伝うよ」




 アスと日影は、皆の皿を片付け始める。


 ヘングレや香蓮は、身支度を整え俺の後ろを付いてくる。


 部屋を出るとヘングレが案内をしてくれた。


 書庫に着くとヘンゼルが手慣れた手つきで書庫のギミックを解き明かしていく。




「これで、開きますよ。」




 グレーテルが本棚の一番下の本を押すとよくある隠し扉のように道が開かれる。




「こういう仕掛け好きだわー」




「分かる、現実ではあり得ないギミックってロマン感じるよね。」




 俺と同じオタクな香蓮の心にも刺さったようだ。




「地下は、どんな感じかな~」




 ヘングレが先導してくれる中俺たちは、地下に進む。


 地下には6つほど部屋がある。


 一つの部屋以外は、手が付けられていないのか少し埃がついている。




「何であの部屋だけきれいなんだ?」




「そこは、僕たちの遊び場だからだよ。」


「あそこは、私たちの遊び場だからですよ。」




 二人は、笑顔で遊び場といったが超人的な身体能力の俺の体には微かにだが血の匂いが感じるが多分双子がいちゃついているのだろう。




「そっか~なら良いや。他の部屋は改造しても良いか?」




「いいよ別に、使わないし。」


「いいですよ、使いませんし。」




 双子は、特に部屋を改造されることに異を唱えることは無かった。




「んじゃとりあえず一つ部屋借りるわ。」




 俺は、地下に降りる階段に一番近い部屋を開ける。


 その部屋は、中には何もなく少し埃が積もっている。




「うっわ~埃、ヤバ クリエイト:クリーン」




 クリエイト:クリーンは名前の通り綺麗にするだけの魔法だ。だが、この魔法の利点は、どんな汚れでも落とせ、範囲指定ができる点だ。


 現代で使えたら生活も便利だっただろうな~


 まぁそんなこと考えながら俺は、部屋の汚れを消し新しい魔法を組む。




「クリエイト:ポータル」




 クリエイト:ポータルは指定設置型と未指定設置型があり、指定型の場合最初に転移する場所を指定してから設置する形の転移装置だ。難点としては指定場所の何処に出るかまで指定できない点だ。どこぞのメガネの小学生よろしく風呂場に転移する可能性もある。




 未指定型は、最初に指定しないためそれ単位では、使えないが転移したい側でもう一度使うと其処との転移が可能となる。まぁ俺の場合設置と連結を自由に出来るように変更したけどね。




 部屋の中にポータルを等間隔に複数個設置する。




「よーし、改装終了、戻るぞ~」




 話についていけず口をぽかんと開けたままの二人を放置し、上の階へ戻る。




「ちょっと、何したの?」




 香蓮は、俺の首を掴み左右に振る。


 不意打ちで、何の準備をしていないせいで脳を揺さぶられる。




「分かった。説明するから一度上に戻るぞ。」




 俺は、軽く首を回し再度帰路につく。




 ~焔たち寝室へ移動~




「たっだいま~」




「おかえり~」


「お帰りなさい」




 俺たちが部屋に帰ると丁度片付けが済んだのかアスと日影が手を拭きながら迎えてくれる。




「結局、日影達が来る前に用事が済んだわ~今から何したかの説明も含めてお話会でも開こうかと思いまして。」




 話を聞き頷く日影。




「了解、では準備でもしようか?」




 日影が動こうとするから制止し、手を見せる。


 考えを理解できたのか頷きベッドに腰掛ける日影




「クリエイト」




 俺の詠唱に応じ何もない床からティーテーブルとイス・ティーセットが創られる。


 ティーセットには茶葉とお湯が入っており直ぐにでも始められる準備ができている。




「たtだいま~っていつの間にかティーセットができてる」


「ただいま~」


「ただいまです。」




 香蓮、ヘンゼル、グレーテルの順に部屋に入ってくる。


 香蓮は、部屋に新しく創られたティーセットを見て驚いている。


 今後急に何かが創られるなんて日常茶飯事になる筈というか今も結構色々創ってるしな。




「おう、さっきの説明も含めてお茶会するからさっさと席につけ。」




 各自、好きな席を選び、席に着く。


 ティーテーブルを囲むように俺の右から日影、アス・香蓮・ヘンゼル&グレーテルのように並んでいる。


 ヘングレは同じイスに二人で座ってたからクリエイトを使い二人が座れるぐらいのイスに変える。




「んじゃとりあえず、さっき地下に行ってポータルを開いておいた。」




 日影だけは理解し頷き、その他の奴は頭の上に?を浮かべる。




「ポータルってのは、焔のクリエイトで作った新しい魔法で、点と点をつなげる魔法で、簡単なものだけど…」




 説明がてら日影が近くの空間にポータルを創りテーブルの上にあるティーポットの手持ちの部分に接続側のポータルを創りだす。


 日影が近くのポータルに手を入れると、ティーポットの法のポータルから手が出てきてみんなのカップにお茶を注ぐ。




「こんな感じで入口と出口を作るだけの魔法なんだけど、設置さえすれば何時でも使えるし、焔や私みたいに魔力お化けが使えばほぼ永久的に使える転移装置にもなるし」




 話の途中で日影が手を振る。


 すると、ポータルは透明化し見えなくなる。




「こんな感じに設定すれば私が許可した人だけが使えるようにすることも出来る。」




 日影がいろいろ説明してくれたがポータルの魔法は、説明通り、点と点をつなぐ魔法だ。


 今後ここが拠点になるのなら移動の時短になると思って作った魔法だ。




「今後は、移動中もちょくちょくポータル開いてこっちに来れるようにするためな。」




 俺は、日影が注いでくれたお茶を一口飲みながらひと時つく。




「よーしんじゃこの後は、適当に雑談でもしますか。」

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