泣くな言葉より行動
こんな変なタイトルの章は書かない。
言葉が飛び去ってしまった今、もはや僕に書くことはない。
はい、それじゃお題出します。『墓場』で行きましょう。
『墓場』
墓場の怖さに泣くな言葉より行動がものを言うのだから。
おかしな文章教室に通って新しく創造性を手に入れた僕はその能力をフル活用して死体から言葉を錬成しようとするが思い付くのは死者を膠にすみ筆で書いた曼荼羅模様くらいのものである。
どうぞこれくらいの不謹慎さがなければ生きていけますまい神さま。
あたしゃそれくらいのことはわかってたのさ。彼女たる死体は返事をする。あたしゃね、過去の遺物と睨めっこしてるぐらいじゃ誰かと向き合ったことにはならないってことを知ってるのよ。甘いのよ。あたしゃ知ってるんだからね、あんたが相続人になって『火星の書』を引き継ごうとしてることくらいは。ねえ、魔王さん。
おっとこれはいけないものを呼び起こしてしまったようだ。僕は寝ることにしよう。こんな風に夢の中で魔王が目覚めるなんてことがあってたまるものか。シンセサイザーの奏でる鳥の鳴き声のような音が墓地にこだまして、それが本当の鳥の囀りだと気づくのに時間がかかった。魔王さんなんているはずがないんだからな。寝よう。
あたしゃ知ってるわ、それならあたしが魔王になったるで。
そいつは困るなあ。独白はこれくらいにしておいてもらおう。
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