ᚱᛅᚵᚿᛒᚮᚵᛁ
《regnbogi, ᚱᛅᚵᚿᛒᚮᚵᛁ(レグンボギ) 男性名詞 「虹」 (古ノルド語)》
詩を書くように小説を書く。
新しい生命よ、と声をかけると頽れる。
木々。木々の間。木々の間の葉々。
それらが皆空を目指して向かっていくときに、僕は再び目を覚ますだろう。
それまでに私は眠っている。僕を揺り動かす。私は目覚めない。何故なら私には、主語が存在しないから。主語が存在したとしても、僕がそれを奪ってしまうから、存在しなくなるだろう。
まるで盲目のように。私はそう名指されて、目が見えなくなる。本当に前が見えなくなる。
もう何も言わない。そうやってまた何度も言う。
主語は存在せず、主体が存在する。
愛することのはじめから言い終える。
言葉って難しい。詩のように律儀に語りを揺らす。
運命的な表現と、運命そのものの構築。
やがては悲しき外国語の時間だ。
僕は僕は僕は僕は僕は……。
マイカーの運転に差し支えるために震えている、言葉ならぬものを言葉差し向ける差し支えさす見殺す見下す。こんなの映画化可能なのか? 本当に小説なのか? 僕の編集者は、ノーと言うだろう。それでも僕は首を振らない。詩ではない、と言い張るだろう。しかし、小説でもないのでは? いや、小説として提示した時点で小説なのだ。
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