透明な小説 8
「ただ今電話に出ることができません。ピーという発信音の後にお名前とご用件をお話しください」
神楽弓月は夢の中の娘に対してこんな感情を抱いていた。どうして、いったいどこから彼女はやってきたのだろう? 私はお腹を痛めた思いもしていないのに、何がきっかけで彼女は生まれてきたんだろう? この辺で神楽弓月も、流石に馬鹿ではないからこれがひょっとすると現実ではないかもしれないと気づき始めた。しかし、そうだとすれば、この娘はいったい何者なのだろう? 神楽弓月は夢の中の娘の名前を思い出そうとしたが、そうすると自然とザムザという名前が思い浮かんだ。しかし、私は本当にザムザという名前を、女の子につけるだろうか? まあとりあえず浮かんできたのがザムザなんだから、そう呼ぶことにしよう。彼女はそう思った。電話はもう全くかけようという気になれなかった。
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