第18話 1節 アトランティスの最期(17)
「うーん、ロンの体は漂流物が当たって傷だらけだ。ああ、頭から血が出ているだけじゃなくて、頭の中にも血が
ロンの頭をさわりながら、サーヤがため息をついた。
「ええっ、ロンは助からないの?」
マリがサーヤを見つめて、泣き出しそうになる。
「ううん、何とか助けられると思うけど、マリのケガの時と同じくらい、回復するのに時間がかかるよ」
そう言って、サーヤは両手でロンの頭に
「津波に何度か
ケンが丘の上を見て心配すると、ヒロが飛び上がった。
「もうこれ以上大きな津波は来ないから、神殿の中にいる人たちを助けに行こうよ、ケン」
つむじ風になって、ヒロとケンが神殿の屋根の上に飛んでくると、神殿の中から話し声が聞こえる。
「また大津波が襲ってきたら、今度こそ神殿の
「
津波が来ていないことを確かめたヒロとケンが、神殿の扉をたたいた。
「神殿の中のみなさーん、もう大津波は来ません。扉を開けてください」
中から扉を開けて、大勢の子供や年寄りが出てきた。
「ああ、すごく
神殿から出てきた人たちの声を聞いて、五人のお供を連れたディプレ王はうなづいた。
「みんな、狭い神殿の中で、よく
神殿に残っていた三人のお供が、子供と年寄りたちを並ばせていると、船から戻った大勢の人たちが、それぞれの家族を見つけて喜んだ。
「これから、みんなにとって大事な話をするので、よく聞いてほしい」
ディプレ王の言葉に、みんながざわついた。
しかし、王は落ち着いた声で話を続ける。
「大津波で
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