恋のうた咲く黄昏れたいむ


声が漏れるのは、

とめどない恋愛に痺れた心を

夕方のぼくからの一言で

忘れたいためかもしれないと、

かんぐるアタマを蹴飛ばすように

ひびわれた歌を歌う。


ぼくが清純な三文芝居を

上手に演じようとした時、

君は少し照れながら

その演技を放棄し、

歌うたいの歌をその心ふるわせながら、

聴こえないほど小さな声で歌おうとするだろう。


できないことはできないと、

正々堂々断ったうえで、

照れながらこっちをみて

ぶつぶつと呟きながら、

まるで見つめ返すぼくに

つっけんどんに、捧げるように、

歌いだすことを忘れないでおくれ。


それがぼくを

破滅にいざなう

痩せっぽちな恋の歌だったとしても。


恋のうた咲く黄昏れたいむに、

刻みつけたい言葉は、流れる。









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