ひととなり
飯も無い。炊飯ジャーあるのに飯が無い。
1Kアパートメントの部屋南側隅に私は体育座りをより凝縮させた姿勢、格好で陽が沈むのをひたすら待っている。
昼はとても苦手である。どうやったって部屋内に光が射し込んでしまい、私の完璧な部屋のレイアウト(影や照明、調度品の歪みなどで起こる床の凹みから成る空間)を台無しに、ちゃぶ台返しにされてしまい私のパニック発作、部屋の隅に仕舞いこまれてしまいたいという強迫観念が発生するからだ。
私は1Kでアートをやっていて、その為に無駄な要素、くだらない飯やしょうもない衣類、馬鹿にしか見えない冷蔵庫を全て処分して、時には売って、その金も必要分以外は浮浪者の珈琲缶に詰め込んで一生懸命努めているのに、勝手に見かねた一方的な余計な友人らしき蛋白質が炊飯ジャーを郵送してきやがって、1Kアートがぐちゃぐちゃで、私パニック発作で隅隠れの現在である。
この炊飯ジャーを如何にしようかずっとジーパンの膝のところを歯でガリガリやりながら、青から赤になるジーパンを見ながら思慮した結果、このジャーを腐るまで、金属プラスチックゴム質色々付いてるが、腐って消滅する迄、私待つことに決めました。
ジャーと私の対決、我慢比べ、手押し相撲、精神の安定じゃんけん、兎角私は負ける気など一切無いので、このだんだんと陽が落ちてゆく小さなアートの中で私はこんなものに臆するかと膝を赤から赤黒に変えていった。
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