第71話 歌詞解説~何を紡いで、何を結ぶのか

 結(ゆい)の歌詞には難しい言葉は一切でてきませんが、全体を通して何を”結び”としているのかは、聴く人に人によって、またその人の精神状態や置かれている状況によって変わるのだと思います


 変わってくれなければ困る


 楽曲で言う1番の歌詞はこうです

 <Aメロ1>

  君の声が聞こえないよ

  君の顔が見えないよ

  君の声を聞かせて

  素敵な笑顔見せてよ

 <Aメロ2>

  君の手に触れたいよ

  君と夢語りたいよ

  だけど君は上の空

  どこか遠くを見てる

 <Bメロ>

  君がいない ここにいない 僕を残して

  触れてしまえば 壊れそうな 現実

 <サビ>

  くだらない 悲しい 諦めない

  言い訳しない それが僕の結


 Aメロ1と2は対になっていて主人公の想いとそれが伝わっていない状況が綴られています

 Bメロでは”僕”は孤独で現実から逃避しようとしている様子がうかがえます

 どうやら片恋で、フラれてたのではないかと推測できるのですがサビに繋がりません

 ”くだらない”とは、そうやってめげている自分を卑下しているのか

 ”悲しい”は片恋のことなのか、卑下していることなのか、その両方か

 ”諦めない”は片恋なのか、見下した自分を鼓舞しているのか、その両方か

 ”言い訳しない”は何に対する覚悟なのか、恋が破れるときには適さない言葉

 ”それが僕の結”の”それ”は、諦めないなのか言い訳しないのかその両方か


 結びを唄っている割に支離滅裂感があるこの歌詞は、つまるところ僕のありのままであり、また、その一部にでも共感してくれるのであれば、”結”はあなたの歌詞になり、”それ”はあなたのそれになる


 合わせてこれはFeelAroundの”紡(つむぎ)”の中で歌われている”ある想い”に対しての僕の結論でもあるのです

 志を共にした仲間や恩師が、舞台から降り、目の前から去っていくうしろ姿にかける言葉

 ”くだらない現実”であっても、いずれそれに”触れ”ないわけにはいかない

 それは”悲しいこと”だけれども、自分は”諦めず”に”語り合った夢”を諦めない

 その結果がどうであろうと”言い訳しない”


 それが”紡いだ糸”の”結び”というのが、この歌詞に託した”僕の想い”なのです


 ただ、それだけではないのです

 なぜなら僕はこの歌詞を書いている最中に恋をしています

 それは”片恋”であり、現実では叶わないし、もし触れてしまえば壊れてしまう

 中年男としては、それでもこの気持ちだけは大事にしたいと、女々しいことを思っているのです


 ”恋は女を美しくし、男を女々しくする”


 2番の歌詞についても、文脈はアナグラム的な仕掛けであやふやにされ、いろんな解釈ができるような作りになっていますので、もしよろしければ、あなたの”結”を探り当ててください


 この曲はもう、僕の物でもToshiのものでもなくなります

 創作という物は、そういうものであるべきだと、僕は考えています


<2番>

  僕の声を聞いてよ

  僕の眼を見つめてよ

  ベッドが軋む音より

  触れ合う指先が痛い


  冗談ばっか言ってさ

  笑えないくらい泣けたね

  だけど僕は怒ってた

  鏡の前の男に


  わかんない 何も知らない 君のこと

  言葉にすれば 嘘になる この想い


  負けたくない 悔しい でも飛べない

  君なしじゃ それが僕の結


 どうですか?

 あなたの大切な人、ともに歩んできた仲間、競い合うライバル

 あなたが負けたくないと思う物、悔しいと思う事はなんですか?

 

 では、また次回

 虚実交えて問わず語り


結-yui-(take-04)

https://youtu.be/jVn3lI9H4Uo

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