中年男ラブストーリー
第41話 恋するミドルエイジ
中年という言葉は、なんというか脂っこいというか、汗臭いというか、それでいてかさついていて、ギラギラしている――そんなイメージがありあす
かといってミドルエイジというのは、姑息と言うか、胡散臭いというか、賢しいというか、正々堂々としていない気もしますが、”恋する中年”はもう、救いがないような使い古された感が否めないので、あえて”ミドルエイジ”で行こうと思います
さて、52枚のカード、つまりトランプがあります
このトランプは裏面――数字が書いていない方の絵柄がセクシーな金髪美女だったとします
つまり52人の金髪美人の写真があるわけですが、この中から自分の好みの女性を選びなさいと言われたときに、さて、あなたならどうします?
52枚すべて見て、良いと思った数名をピックアップの後に、最後の1枚を選びますか?
それとも上から順番に見て、これだと思った1枚を見つけたら、そこで選ぶのを止めますか?
僕は後者ですね
なぜなら恋とは、これから出会うすべての女性の中から一番好きな女性を選らぶのとは違うからです
もっと言えば、男性は競争意識を潜在的に持っています
獲物を狩るのにあれこれ目移りしているのでは、相手に逃げられてしまうか、別の誰かに獲られてしまう
そういう決断をできないということは、恋をするのが上手ではないということです
この場合の”上手”とは、恋をするまでのことを差していますので、その後恋が成就するかどうかは別の話です
しかしパチンコで言うところの”回らなければ当たらない”、一般的に言う”下手な鉄砲数撃てば当たる”ではなく狙って、回して当たりを引くのが恋なのです
さて、恋するミドルエイジは、少年期、青年期、壮年期を経て、多くの恋を経験していることでしょう
許されない恋なんていうのも、そこには含まれるのでしょうし、インモラルであったり、不実であったり、一夜の過ちもあるのでしょう
結婚或いは、それに準ずるパートナーを得ているからと言って、人は恋をしなくなるわけではないと、僕はそう思います
そばにいる誰かにずっと恋をして他には目もくれずという人生もあるのかもしれませんが、いついかなるときにも、人は何かに恋をするし、できるものだと、そう考えて世の中を見た方が、ずっと景色は広がるように思います
ただ、恋はすればいいという物でもありません
恋をすれば、恋しただけの憂鬱があります
逢えないときは寂しいし、失えば痛い、傷を追えばそれを癒すためにまた、あらたな恋を探さなければならない
そういうマイナスの面も含めて、恋をすれば、景色は広がるのです
恋の痛みは、恋をした者にしか、わからない
なーんっちゃて
では、また次回
虚実交えて問わず語り
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