終わりのない本
へき
第1話
「この世界は、約20年後に滅亡することが分かりました。」
ニュースのアナウンサーが無機質な声で、この世界の終わりの始まりを告げた。
およそ100年間に及ぶ大規模な核戦争の結果、地球は荒廃し、大半の動植物は絶滅、空には厚い雲がかかり、地表は生物が住める環境ではなくなった。
人類はその時初めて争いをやめ、その科学技術を使って、後に“楽園”と呼ばれるようになる、地球上最後の安全地帯を造り上げた。
しかし、そこでまた争いが起こることになる。楽園は、地球上に生き残った人類全員が入るには狭すぎた。さらに、彼らが生きるための食料として、家畜や穀物なども育てる必要があったため、楽園に入ることが出来たのは、世界総人口のたった200分の1だった。
生き残った人類は大きく2つの生き方に分かれた。ひとつは、楽園の中で子孫を残し、平和の中で寿命を全うする保守派。そしてもうひとつは、危険を冒してでも楽園の外へ出て、地球復興の糸口を探す革新派。
これは、ある革新派の一人の物語。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます