第4話
出会ったその時から、揺らめく深い黄金の眼に、艶やかな赤い唇に、白い肌に、
「人間が憎いか?」
全てを失ったと言っても
『お逃げ下さい!振り返らず!走って!走って!!』
自分を育てたのは人間だった、両親は少年を愛した、使用人たちは少なくとも彼から見て、見た目が他の人間たちと違うからといって嫌悪を示すように見えたことも無かった。
いつも穏やかだった執事長が放った想いの
黒に身を包んだ美しい彼女は、彼の心が
「お前を殺そうとしたのは人間だ、お前を守ろうとしたのも人間だ。それをどう受け取るかは、ゆっくり考えればよい、時間ならたっぷりあるからな」
黒魔女が、
目を丸くする少年の様子を
「それは私の弟子になるための契約書の様なものだ、書名をすれば私はお前の師として、あらゆる物を与え、あらゆる知識も与えよう。そして、一人前になるまでの対価として、お前に
「時…とは、どういう…」
「こういう事さ」
黒魔女が、指先を時計回りにクルクルと回すと魅惑的な少女の姿が、大人の女性になり、老婆の姿になった。そのまま逆回りにクルクルと回すと、どんどん若く美しい姿へと戻ってゆく。彼女は自分の姿を時の流れから外している、それと同じことを自身にも
そして一つ頷くと、彼は羽根ペンを手に取って開いてある本のページに名前を
満足そうな黒魔女が、
「獣人キール·リュリコフを、我が森の友と認め、全ての森の主アデライン·ブラッドローの弟子とする、深緑の炎を宿すこの者への手出しは、私が許さぬ」
この瞬間だった、黒魔女アデラインの
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