うたかたの方舟

作者 あずみ

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★★★ Excellent!!!

地上は滅んだそうです。えええええ!?


――というところから始まるこの物語。
唯一(かもしれない)地上の生き残りは、人魚に助けられました。

陽の光から遠ざけられた海の中で、彼は生きていけるのか。
捨ててしまった記憶に苦しめられながら、決意を固めることができるのか。


次の一歩を踏み出すための勇気を探る、再生の物語とお呼びしたい。
是非ご覧くださいな。

★★★ Excellent!!!

水の中を揺蕩うようなまろく柔らかく、重さすら感じるような文章の中がまず心地よい。岩と、海藻と、船と。少年と人魚の少女。そして、唇と碧と。きらきらとけれど淡く光に彩られる水の中の情景が目に浮かぶよう。
そんな中で少女は待ち続け、描き続け、期待し続け。成就する時。

これ以上ないほど御伽話らしい描写、ストーリーの中で、けれど御伽話ではないだろう、いや、あるのかも知れないけれど。

とろりとまろい少女の世界にとって『王子様』とはどうあって、どうなるのか。浮かんだ想いが言葉にならない。