ガラス玉の幸福論 須和部めび様

 じゃんけんの話を、今日職場でもしてみました。


 ぼくに日本酒を頼んでくれて、ゲロを吐きながらスノーボードをすることになるお手伝いをしてくれた、ドSで優しいA木さんは言いました(エッセイでのネタ)。


 A木「それはハンターハンターで結論が出たじゃないですか。動体視力で相手の出す手を捉えた瞬間に出せばいいんですよ」


 なるほどー。だから強いんですね。










 できてたまるか。








 ガラス玉の幸福論 須和部めび様


 https://kakuyomu.jp/works/1177354054884688023






 くじで全てを左右される運命の瞬間。人生って案外そんな気まぐれで決まるのかもしれないですね←良いこと言っているようで浅いことしか言っていない典型。











 普通。



 普通って素敵。





 主人公の名前は語られていないどころか、他のキャラクターも特徴的な記号のように表されていて、固有の名前として語られていないです。名前のあるキャラは何人かはいるのですが、主要なキャラはむしろ役割のような呼称をされる、特徴的な雰囲気です。


 弟の死に、祖母の死、祖母の飼い猫の失踪など、死をテーマとしているだけあって、身近には様々な死があります。


 主人公は、人生において不幸を背負う星の元に生まれているようで、彼女と別れたり仕事でうまくいかなかったり、弟の死から家庭の崩壊を経験したり、不幸を背負って生きています。


 何度死のうとしても死ねなかったにも関わらず、猫を助けようとして事故に遭いあっさりと死んでしまうというところに、皮肉を感じますね。死ぬのを諦めたところで、ね。


 ただその死は意図的な部分もあり、ある意味災害的なものですが、語り過ぎはネタバレに繋がるので割愛します。


 本当に個人的なこととして、自殺自体を否定はしないのですが、去年だけで知っている人が3人以上自殺してるんですよね。職業柄、ままあることなのですよ。


 まあかといって残っている者としてなんらかの傷を負わないわけではないですけど。


 自分の作品でもやはり死に関わることを書いたりしていますが、志向としては生きて欲しいと願わずにはいられませんね。本人たちにとって、生きることは幸福ではないにしても、死にやがるなボケと言いたくなってしまいます。わがままですけど。


 ちょっと感傷的になりました。


 死後の世界もあったらいいなと思っていたら、猫の紳士に迎えられ、死後の国を彷徨うことになります。


 しっかりと死後の国で労働や善行を積めば、輪廻転生に組み込まれてまた新たな生を得るというのです。


 ただ主人公の死には、どうにも不可解な点がありました。


 死の予定が記された名簿に、明らかに書き足されたような主人公の名前が……


 そういった謎を孕みつつ、物語は始まっていくのです。






 文章表現は、とても好きな部類です。


 死を思わせる、沈鬱気味なテーマなので軽快な文章は合わない。


 かといって重厚すぎるわけでもなく、むしろガラス玉を通した世界のような、幻想的な揺らぎが見えます。時折言葉を重ね過ぎているきらいがありますが、許容範囲かなと思われます。


 紳士な猫(耳をすませばのバロンを勝手に想像してます)に優美なペルシャ。博士やでっぷりとした大臣なんかもいます。犬も好きですが猫も好きです。特にソマリとラグドールとメインクーンがいいですね(全部長毛種)。


 雰囲気にあった小道具の一つで、ラムネやコーヒーも振舞われます。

 やはりコーヒーと言ったらコピ・ルアク率が高いですね。知っている人は知っているというところが、物語の小道具として使いやすいかもしれませんね。


(でもコピ・ルアクの強烈な酸味は人を選ぶと思うんだけどなあ。作者様はグァテマラやマンダリンが好きだと言ってましたね。ゲイシャとか美味いですよ。缶コーヒーで有名なエメラルドマウンテンとか、ある意味名前通り。宝石舐めてるような味だった。多分有名じゃないけど、ラゴアが酸味苦味控えめでシンプルなのに味のバランスがめちゃくちゃいいものもあるし、コーヒーの世界って奥が深いものよのお)

 はっ。思考が逸れました。




 そして物語のウリの一つとして、優しさ感じる世界観があります。


 幸福を叶えるための舞台装置が出てきて、まあその効果もあって色々な困難に巻き込まれるわけですが、幸福を伝えていきたいという思想はとても好きです。


 ぶっちゃけこの世はまるで平等ではなくて、個人の環境や資質の差は歴然としていて、平等に幸福になることはそれはもう不可能だと根本的には思っているのですが、


 それでも願わずにはいられないんですよね。


 世界が平和でありますように。








 物語が描こうとする世界観はとても好きなのですが、小説としての部分が惜しいと感じることもあります。


 主人公だけでなく、登場人物の境遇について随時語られていくのですが、序盤はおそらく1000字〜1,500字ほどの流れで、1話で現在の状況が進んで、次の1話でまた過去の弟の話、また現在の話、今度は祖母の話など、短いスパンで現在と過去を語る順番として頻繁に行き来しています。


 スッと飲み込める方はそれでいいと思うのですが、どうしても物語の流れがその度に途切れる印象が拭えなくて、意識が散漫となってしまいました。


 得た情報を一旦置いておいて、また過去の情報に戻る。これが映像で把握しやすいアニメや映画などであればいいのかもしれませんが、小説という文字だけの媒体だと、どうしても情報が少なく想像で補うため混乱を招くケースもあるように思います。


 そして、視点変更の多さがどうしても気になってしまいます。


 基本的には主人公視点の一人称ですが、紳士猫の視点になったり、出番としては少ないキャラの視点になったりする場面は、本当に必要なのかどうかと思ってしまいます。


 そして、一人称だったところが、三人称視点に変わってしまうところは流石にどうしても気になりました。


 一人称から三人称視点への変更も、おそらくなくはないとは思うのですが、物語のギミック上そうしなければいけないという理由がないのであれば、できる限りしないほうが懸命かもしれないです。小説に決まり過ぎた型よりも斬新な方法をとられる新たな風は必要だとは思いますが、今の段階ではプラスと素直に捉えられないです。


 もし重大な意味があり、それを私が見逃しているだけだということが判明すれば、土下座いたしましょう。下着姿で。ブラの有る無しはお任せします←ありなら変態だよ。


 小説を書かれることは初めてだと仰られているにも関わらず、とても素晴らしい言葉遣いをされていると思うので、今後もとても楽しみに感じています。




 最後にとても好ましい点として、物語に意味深な伏線が張り巡らせられていて、ギミックの使い方はお上手だと感じました。


 完結された時にはきっと感動も一塩でしょう。楽しみです。





 396000







 次は明るい話題でいこう






 と思ってもくじ次第なんですよね。






 よいしょ















 異世界に転生したら、世界が俺を暴走させようとしている れずい 未来様


 わー完全に現代のトレンドだー。


 たのしそー(サーバル感)。






 次回予告








 そっか、君は










 ケツだけ歩きができるフレンズなんだね!










 ぶりぶり〜。

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