偽りのシステム124
いつしか、第十八特殊任務大隊の兵士の間に〝完全種族〟という言葉が流行り始め定着しつつあった。
彼らは、どんなに人外の姿になろうとも、そこに生きて来た矜恃を抱いていたのだ。そして、それに相反する〝ネイチャー〟と呼ばれる
「ネイチャーなど、我々に襲るるに足らん」
「奴らは奇人なのだ。この世界に巣食う旧人類……懐古主義者の寄せ集めに過ぎん」
「最も優れた技術を使用し、最も優れた人種となり得る。それが我々、第十八特殊任務大隊のメンバーというわけだ!!」
特殊飛空空挺部隊のメンバーは、各々が回線を通して言葉を発し、自らを鼓舞する態度を取った。それが彼らの信念であり、彼らの理想の形であると改めて言い聞かせているのだ。
「さあ、みなさん。気合は入りましたか? あと六十秒でヴェルデムンドアーチに突入します。そして、無事ヴェルデムンドアーチを抜ければ、ゲッスンの谷の領域に潜入できます。そこにさえ入ってしまえば、私たちの独壇場となるはずです。それまで一人たりとも脱落せぬようもう一度気合を入れ直してください!! あなたたちは進化した存在なのです! 決してゲテモノの類いではないのです!!」
エスタロッサは、とても
中尉が、暗闇の中に視覚情報による秒読みカウントダウンの数字を読み取っていた時、
「う、うがあっ……!!」
後方からいきなり悲鳴が上がった。
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