浮遊戦艦の中で126
言うやマリダは、サガウルに
「陛下のお達しである! 皆の者、時は来た!! これからが我らの腕の見せ所ぞ」
サガウルは通信回線のマイクに向かって腹の底から大声を張り上げた。この号令によって作戦開始のブザーが一斉に鳴り響く。
「敵は、わたくし共の編隊に向かって必ず特攻を仕掛けてきます」
「御意。そのためにこちら側は特攻に備えて、フェイズウォーカー部隊を三方に分散させております。敵方が我ら本隊に特攻を仕掛けてきたところを……」
「後方の分隊が敵に攻め込むのですね」
「御意。すべて手筈は整っております」
「分かりました。それではわたくしも出撃します」
「陛下、お待ちください!! この戦いに陛下自らお出にならなくとも……!!」
「いえ、ここはわたくしが出るべきです。いえ、そうでなければ、この作戦の要である
言うや、マリダは颯爽と軍服のマントを
サガウルは、額に冷や汗を溜め込みながら、その姿を追った。
補給部隊の大型陸戦艇の中は、依然士気が上がっている。誰もがいきり立ち、勇敢な装いで行き来している。
しかし、女王のマリダがそこを通ると、兵士たちは皆、直立不動になり緊張の面持ちで敬礼をする。
「皆、良い目をしておりますな、陛下。この作戦は必ず成功します。いえ、成功させねばならぬのです」
「その通りです、サガウル殿。このままシュンマッハ殿の悪意に飲み込まれた世界は、いずれその悪意ごと地球へと
「御意、そうならぬ為に、我々は命を懸けてでも陛下をお守りいたして見せます」
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