神々の旗印160
かと思うと、勇斗が振り下ろしたその切っ先を大きな力で何かが遮った!!
「は、早雲ちゃんだと……!?」
正太郎はその目でしかと見た。寝転ばった彼の頭上に、両腕をクロスにして大剣を受け止める彼女の姿を――!!
「少佐!! 諦めてはダメです!! あなたはまだ死んではいけない人なのです!!」
彼女は、必死に立膝を付いて勇斗の振り下ろした大剣の勢いを食い止めていた。その衝撃派は辺り一帯で波を打ち、立て続けに四方八方に拡散し続けている。
「な、なんでキミがここに――!?」
「何を言っているのです、少佐!! あなたは私たちを命懸けで助けてくれたではありませんか! 今度はこっちの番です!」
辺りを
「だ、大丈夫なのか、早雲ちゃん!!」
「少佐! 今のユートさんは、わたしの知っているユートさんではないかもしれませんが、恐らく真実のユートさんなのかもしれません! それでもわたしは……」
彼女は攻撃を受けたまま、苦悶に満ちた表情で正太郎に応える。
「しかし早雲ちゃん。俺はこの瞬間、このまま死んでも良いとさえ思っていた。きみは、きみの思い人である勇斗を、黒塚勇斗の意志を疎外しても平気なのか!?」
「ええ、平気です。だって……わたしだって、このままのユートさんでいて欲しくはありませんから。少佐のように強い人になって欲しいのですから!! でも……」
「でも……?」
「でも、このままのユートさんのままであったなら、わたしにだって考えがあります!」
「考え?」
「そう、考えです!!」
彼女は言うや、ついて居た膝に思いのたけ力を入れると、勇斗の放った攻撃を力尽くで跳ね返した。
「ええいっ!!」
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