不埒者と遭遇
先日、我が家の墓を掃除にダーサンと行ってきました。
午前中に一人でしてくるとダーサンが言ったので、春は草むしりもあるから私も行くよと提案。でも金曜日は入院している父の面会&洗濯物取りに出掛けるので、帰宅してから夕方に墓掃除しようとなりました。
案の定、玉砂利の間から細かい雑草がびっしりと生えていて、私とダーサンは墓の前と後ろに別れて作業開始。
黙々と草むしりをしていると、
「こんにちは、草取り?」
と、何やら馴れ馴れしい口調の男声が響いてきたのです。
振り向くと左後方の墓前に中年の男性が居て、私を見ている。
普段なら愛想が良い私。なんせ商売人の血を引いているから、鉄壁の愛想を振り撒けます。が、商売人の血を引いてるからこそ、他人を見抜く眼力も半端なく持っていたりします。
回り口説く書いたけれど、何が言いたいかと言うと、拒否反応を起こしていたのです。
チラッと振り向いて目にした男性の表情や声の質、口調で、関わるべきじゃないと判断したということです。
ぶっちゃけて言うと、女と見りゃ誰でもいいってタイプの男だと、見抜いた訳です。
とたんに無愛想になる私。
「…こんにちは(超低音不機嫌MAX)」
作業したまま返事だけすると、
「草取りは大変だよね。」
懲りない男性、爽やかを装って更に会話をしようとするのですよ。
「───…。」
無視してみる。と、あろうことか男性が近寄って来るではないですか。
「えーっとお墓、〇〇さん?」
名前を確認するにゃ墓石見るのが一番だけどね、実行する?
プッツーン、と頭の中でキレた音がした瞬間でした。
それまで存在を消したかのように、墓の後ろで黙々と草むしりをしていたダーサンが、スクッと立ち上がって「こんにちは。」と渋い低音で挨拶したのです。
ギョッとした男性はしどろもどろになりながら、そそくさと消えました。
「…あれ、何?」
憮然とするダーサン。うん、気持ちは分かるよ、あと一歩遅かったらキレた私が、ヤーサン並に怒鳴り散らしていただろうから。
墓地でナンパするなよ。(怒)
いくら夕暮れ時に女性が一人だとしても、墓地でナンパするって不埒過ぎるでしょ。
春だからって、浮かれるのも大概にしないと見苦しいですよ。
祟られてしまえ。(怒)
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