天井の目玉
歳の離れた兄が居ます。
私が小学校高学年になる頃には、兄は家を出ていたのであまり接点は無いのですが。
兄が久し振りに帰省した時のことでした。やることもなく居間の畳に寝転がって天井を眺めていた兄が、ぽつぽつと語りだしたのです。
少し前に兄が帰省した時のこと。
この日と同じように、暇を持て余した兄が居間の畳に寝転がって、ぼんやりと半分眠ったような状態で天井を見上げていると、天井板がするすると西から東へと動き出したそうです。
西側に10センチ程の暗い隙間が開くと、そこから目玉が2個、ギョロギョロと下を覗き込むように現れました。
兄は金縛りに遭ったように動けず、目玉を見ていました。
すると目玉が突然、兄の頭近くにボトッと落ち、ササササーッと玄関の方へと消えて行ったのだ、と。
「あれ、何だったのか、未だに謎。」
兄はそう言って苦笑いしました。その苦笑いを見ながら、私はゾッとしたのです。まるっきり同じ体験を、半年ほど前に私もしていました。
家に何かが居る気配はないのです。けれど時折、こんな風に変な現象は起きます。
この目玉も、気づかないうちに何処かで引っ掛けて来てしまったモノなのかもしれません。
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