よく頑張ったね
「ルカ君、このままだと上に睨まれるよ。リッさんの部下ってだけで十分なのに、まさかこの短期間でこれほど
「…センパイは」
「んー。俺は、スパイってことになってるから。一応、上のうけは悪くないんだよ。ま、いつまでもつかわかったものじゃないし、あっち側に戻るつもりはさらさらないんだけど」
ルカが黙ると、ソウヤは肩をすくめて続けた。
「ある程度は、身を守るためにも出世しておいた方がいいんだよ。
さあどうする、とでも言うように、ソウヤは言葉を切る。ルカは、ゆっくりと息を吐いた。
「――ぼくは、たいちょうと、センパイのところで、つよくなりたい、です」
「いいのかい? いい加減、俺も誤魔化せないし、今回のこれ、ルカ君の手柄ってところ大きいからね。スダ一佐、
「かまいません」
「俺は、ルカ君のことまでは面倒見切れないよ? 余裕があれば助けるけど、いつもそうとは限らない。それでもいいのかい?」
「はい」
ふふふふふふふふ、と、突然ソウヤが笑い出した。
ぎょっとして、ルカは思わず顔を上げる。ソウヤが、あくまで爽やかに、
ルカの視線に気付いて、ソウヤがひらひらと手を振る。
「そうやって覚悟できちゃってるルカ君が、どんな子が来ようと、見劣ることはないと思うよ」
「――え」
見抜かれていた。
思わず、ソウヤを凝視してしまう。
「大体、いつまで学生のコンプレックス引きずってるんだか。今回証明しただろう。ルカ君は十分に戦力なんだから、机上の空論だった頃のことは置いといていいんだって。他はともかくうちでは、倒れるくらいまで頑張って成果も見せてくれるくらいじゃないとやっていけないね。まあ、本当に倒れられると困るから、もっと底力つけてね」
「は、はい」
「それと俺、今まで話した中で嘘はついてないからね。生き
にこやかに釘を刺してから、ソウヤは、軽く
「よく頑張ったね。後は任せて、君は休んでなさい」
「はい。…とりが…」
ルカは小鳥もその
完全に気の
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