第39話 男性諸君! 私は間違っているか? 

私は家賃保証会社で管理(回収)担当者として働いている。

消費者金融の頃と変わらず、毎日変わらず、督促の最初はまず電話。


相手は22歳の女性。毎月の延滞。ただし毎月遅れはするが、給料日に1ヶ月分のみ支払ってもくる。入居直後からこれまで半年間の常態。

4コール目で彼女は電話に出た。


社名を名乗る。延滞の事実を告げ、まだ支払っていないかを確認する。

当然、支払っていない。聞くまでもないが。

いつ支払えるか質問すると、答えに窮した。

「……先々月に仕事辞めてしまって」


新たに仕事に就いてはいるが初任給は来月だと言う。

来月まで支払えないと、今まで彼女には一度も無かった2か月分の延滞が発生してしまう。


どんな風に話を展開しようかと一瞬考える──と、受話器から男の声が聞こえた。彼女と電話を代わったようだ。


「少しくらい(支払いを)待ってやれよ」

威圧的な低い声音。


店員や、仕事で電話をしてきている人間相手にタメ口で話す連中の気持ちが、私には本当に理解できない。ただそういう人間が、たくさん存在する事は知っている。

そういう、私には理解できないタイプの男だ。


「失礼ですが、あなたは?」

まずそれを確認したい。その上で契約者(女性)が了承するなら、話をしても良い。


世の中の9割から反感を持たれるだろう声が続けた。

「コイツの男だけど」


男……?ああ、彼氏さんね。彼氏、彼氏、ねえ……。

義憤に駆られて督促の電話を彼女から奪い取り『支払いを待ってやれよ』、と?

──うるせえよ!!


何か言うなら、お前がまず代わりに払ってから言え!


1億や2億、1千万や2千万、百万や2百万ではない。10万や20万ですらない。4、5万円の話なのだ。『待ってやれよ』じゃねえよ、『コイツの男だけど』じゃねえよ!


大前提として、私は高圧的な督促もしていない。そもそも殆ど話していない。単なる挨拶・案内の段階だ。


何が『待ってやれよ』だ。


繰り返すが、うるせえよ!

男友達ならそれもいい。小中学生なら仕方ない。しかし、大人でしかも『コイツの男』なんだろう?


だったらまずお前が払えよ。そして彼女の生活を再建しろ。


カネも出さないくせに口を出すな。アンタは本日只今、東日本で一番カッコ悪い男だよ。


資本主義の世の中だ。カネも出さないヤツが発言するな──なんて事を私は言わないし思わない。

加えて当たり前だが、契約者でもない彼に支払いを求める事も当然に無い。他の同業者は知らないが、私は口にも出さない。


しかし、本心から思う。


彼氏だと言って前に出てくるなら、4、5万のカネくらいは払え!


男性諸君、私は間違っているか?


そして女性諸君。

モテない男(私だ)の戯言と思ってもらって構わない。


言葉だけ威勢が良い、カネも出さない男とは決して付き合ってはいけないよ、と思うのだ。

まず第一声で『いくらですか? 可能なら僕が払います』なら見所がある。そうじゃないなら論外だ。話にならない。


諸賢にお尋ね申し上げたい。私は間違っているか?

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