第32話 生活保護費の支給方法に関して、家賃保証会社の管理(回収)担当者が運用を変更してほしいと思うトコロ。

生活保護費で家賃扶助が出ているのだから、本来家賃の延滞というのは発生するわけがない。

が、生活保護受給者の延滞は非常に多い。


理由はカネを落とした、生活費に使った、他の借金の返済に使った、滞納している光熱費等の支払いに使った、親族の医療費に使った、知人に貸した──すべてが嘘ともいわないが、たぶん大体嘘だろう。


「知人に貸した」は噴飯モノだが、「カネを落とした」は非常に多い。支給日に市役所・区役所の周辺を散歩すれば一財産築けるのではないかと思うほど、彼らはカネを落とす。



家賃を滞納し、全く連絡が取れない人間がいる。


毎月1か月遅れて生活保護支給日に振り込みをしてくる。

明らかに生活保護で支払っている。しかし延滞は一向に解消しない。

11月分の家賃を12月支給の生活保護で支払っているので当然だ。


福祉課職員に指導を依頼しても、受給の有無すら回答してくれない場合もあるし、協力してくれる場合もある。マチマチである。


しかしそれはあまりに属人的な問題になるので今回は書かない。


生活保護は住宅扶助、生活扶助など8種類の扶助項目からなる。

義務教育中の児童を養育している家庭には教育扶助もあるが、健康な単身者にとっては単に家賃と生活費、程度の認識で間違いない。



代理納付(地域によってはブンノウ(分納?)という言い方もする)は、役所が大家や不動産管理会社へ被保護者を経由せずに直接家賃を振込する事だ。

ただし基本、被保護者の同意または希望が必要で、カネをとにかく手にしたい被保護者は同意しない事も多い。

(正確に書くなら本来、被保護者の「同意」は必要無い。ただし実際の運用では、同意がなければ役所は代理納付を殆どの場合実行しない)



生活保護制度の不備は多々指摘されている。

必要な人に行きわたっていないという批判もある。

住宅扶助だけを受けやすくするべきだ、という意見もある。

住宅扶助だけを分離して受けやすくすれば、例えば首都圏の所得の低い単身者、働いているシングルマザーにとっては特に有用だと思う。


しかし、制度そのものを変更するのは大変だ。そんな事を今回書きたいわけではない。

どうやって制度変更ができるのかも私にはわからない。


ただ単に、運用を変更すれば相当マトモに変えられるんじゃないの?と思える事を書きたい。


もちろん、私は細かな省令まで把握しているわけではない。運用変更にも多大な手続きが必要なのかもしれない。


しかし、何でこういう風にしないのだろう?と素直に思う事を書きたい。



被保護者や、NPO団体等の彼らをサポートする立場の人からの意見は沢山でているだろう。それは主に被保護者の視点に立ったものだと思う。当然、彼らも商売なのだから、それは当然で、悪い事ではない。


私が今回書くのは、生活保護費が本来的な目的で使用されるようにしてくれ、という家賃の管理(回収)担当者、納税者としての感想だ。


大抵納税者の意見など、大して税金を納めてない低所得者がわめいているだけだ。

私だって大して納税しているわけでもない。だけど、酒税はそれなりに収めているつもりだ。

そして家賃の管理(回収)担当者からの意見というのはたぶん少ないと思うから、そこらへん許してほしい。



〇そもそも一括で渡すのがおかしくないか?


延滞客の通帳を見せてもらう。保護支給日に生活保護費の振込がある。大抵、直後に全額引き出している。

役所で受け取って、その足でカネを落としたと主張する人間は論外だが、そもそも全額を1回で支給する必要があるのだろうか?



生活費とはいってもほぼ食費だと思う。

別に生活保護者は居酒屋やレストランに行くな、娯楽を一切するなとは思わない。が、普通生活扶助(食費や衣料品等の、いわゆる生活に必要なものを買う費用)使用対象の最大比率はほぼほぼ食費だと思う。

もちろん、衣料品を買うお金は当然必要だ。

だから、生活扶助を1週目に5割、2週目~3週目に2.5割づつ支給するという事に問題があるのだろうか?


1回で渡すから一気に使うのだろう?1回で渡さなければ全額は落としようがないし使いようがない。

(「えらいてんちょう」さんという方も「えらいてんちょうの雑記」というblogで、分割して渡すという案を書いていらっしゃった。私は完全に賛成だ)


手間や銀行口座への振り込み手数料がより多くかかるかもしれない。

しかし、振込手数料はさすがに銀行と交渉すれば軽減できるのではないか。

何せ生活保護費は、良くも悪くも(いや、悪いが)莫大な額だ。


「コイツは月に1度は顔を見とかないと……」という問題がある被保護者に対しては、今まで通り月に1度は手渡し支給。後は銀行への振込支給で問題なくないか?



〇何故、家賃、光熱費等のライフラインは役所から必ず直接支払いするという風にしないのか?


現在、光熱費を役所が振込む事はできない。家賃も被保護者の同意が必要だし、共益費の振込に関しては対応できない自治体もある。


が、ここが、疑問なのだ。私は生活扶助費でパチンコに行くなとかそういう事を言いたいわけではない。生活扶助でパンを買おうがお米を買おうがタバコを買おうが馬券を買おうが、全く問題がないとまでは言わないが、今はそれで良いとも思う。


しかし、住宅扶助として支給されているカネは、家賃以外には本来使ってはいけない。そしてライフラインは生きていくのに必要だからライフラインなのだろう。


これを役所から直接振込させるのに、何の問題があるのだろうか?


役所の手間が増えるというのはあるだろう。しかし住民票もコンビニで取得できる世の中だし、今時通帳をもって銀行でお金を引き出す事もほぼ無い。

これほどITインフラが発達しているの世の中だ。


電力会社、ガス会社、水道局へのシステムを組み上げれば、あとは半自動でできるのではないのか?

これによって生活保護費の不正使用(家賃を他のものに使う)も防止できる。

全く一般人にとって何のメリットがあったのかさっぱりわからないマイナンバーのシステムよりは、余程納税者に納得感もあるのではないのか。



もちろん、とんでもない額の不正受給や、「第3話 ある生活保護受給者Sの話」で書いたような複数の自治体から生活保護費を受給しているのでは? というのは大問題だ。

しかしあんなものはそうそうあるものでもない。それはそれでしっかり取り締まればいい。


そんな派手なものはまた別の話だ。


生活保護の不正使用が問題とされるのなら、なぜそれをし難い運用に変えないのだろう。


支給額を変えろといっているわけでもない。単に「家賃やライフライン等、どう考えてもそれは払わねばならないでしょう?」というものは、天引きして何の問題があるの?というだけだ。


自分で稼いだカネをどう使おうが自由だと思う。率直にいえば散財して破滅するのも、自由だ。

だけど、住宅扶助が支給されている被保護者が家賃を払えない事まで自由ですとは、私には思えない。


運用の変更、できないものかな?



※今回は、仕事で収入を得ていて、その額を差し引いた生活保護費を受給しているケースは除外して書いています。


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