わがヴィーン時代の一般的政治考察7
神聖ローマ皇帝ヨーゼフ二世は彼の家が帝国の外隅に押し詰められているように、もしも最後の瞬間に父祖の怠慢を償わないならば、バビロンのような諸民族の渦の中に消え失せるに違いないと不安を覚えた。
この「人類の友」は超人的な力をもって先祖の過失をせき止め、数世紀にわたって動揺させたのを十年で回復しようとした。
彼の仕事のためにわずか四十年だけでも許され、そして彼のあとに二世代だけでも手を付けた仕事が継承されたのならば、この驚嘆はおそらく達成されたであろう。
しかし彼がわずか十年足らずの統治で心身ともに困憊して死んだとき、彼と一緒に彼の行った仕事も墓穴に埋もれ、永遠にカプツィーン修道会の霊廟に眠ってしまい、再び目覚めることがなくなってしまったのだ。
彼の後継者たちは精神的にも意志の上でもその課題を進捗させなかった。
さて、ヨーロッパ中に初めて新時代の革命の嵐の全長が見えたとき、オーストリアにも徐々に火が付き始めた。だが、ついに炎が燃え上がったときには熱火は社会的、集会的あるいは一般政治的原因よりも、むしろ民族的な衝動力によってあおられたのだ。
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