家庭の中の両親10
もし今、この時期の成績を振り返ると、二つのことが重要だったとわかる。
一つは、私が愛国者になったことだった。
二つは、私が歴史を理解し、意味をとらえることができたことだった。
旧オーストリアは多民族国家だった。ドイツ国民は当時、このことが各人の日常生活にどのような意味を持つか、まったく考えていなかった。
人々は普仏戦争の勝利後、次第に国外のドイツ人に疎遠になった。一部ではもはや彼らの価値を認めなくなったほどだ。特にドイツ系オーストリア人については、根本において別のものとみなすようにすらなってしまった。
もしオーストリアにいるドイツ人が最上の血を持っていなかったならば、オーストリアはドイツの国家だという考えがドイツに起こるはずがないのである。そのことを人々はわかっていなかった。
これはオストマルクの一千万のドイツ人にとっては、実に立派な証明書だった。
言語、学校、制度をめぐる闘争については、わずかなドイツ人だけが知っていたに過ぎない。ようやくこの悲惨な困窮が我がドイツ民族を祖国であるドイツから離れさせようとし、多くのドイツ人が自分の民族のために戦わなければならないことを理解できるようになった。
今でこそドイツ主義の偉大さを正しく評価することができるかもしれないが、そのドイツ主義も、幾世紀もの間にドイツ語を維持するための消耗戦の末にドイツ国の東側を守ったにすぎなかった。
そのときに、ドイツは植民地に関心を向けていたが、足元の自分自身のことには目を向けていなかった。
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