―――届かない。この灼炎の夜空、お前が遠くに見えている。
契約を結べば、千年の寿命とこの世の覇権が手に入る――そんな存在として語られる黄金の竜。
主人公フェイリットは、竜として生を受けながら山奥に隠されて育った。十六年の時を経て、かつて結ばれた約束のもと迎えの使者が現れる。しかし彼女は、竜を用いて覇道を目論む父王の元へは還らず、使者の手からも逃れるのだった。逃れた先で目にした愛する人の死と、とある真実。フェイリットは衝撃のままに竜へと変わり、空から落ちてしまう。
落ちたところを救ってくれた優しい青年と、闇夜に現れキスを迫ってきた最悪な男。出逢った二人のあいだで恋に揺れ、いつしか国を巻き込んだ策謀に身をうずめていく。
「千年の竜血の契りを、あなたに捧げます」
三巻目になります。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885012397
(一巻をお読みになる際はこちらから)
*旧題「忘れ去られし王への贈り名」
*アルファポリスさん、なろうさんでも連載中です。