第47話 異世界からの電話? (8)
「(ウフ~。パパが考えている妖精達よりもセリカの容姿は小さくないから。そんなに挙動不審にキョロキョロしながら辺りを見て探してもセリカを発見することなどできないよ。パパ~)」
また儂の心を見透かしたように、スマートフォンの向こう側からセリカちゃんが苦笑しながら探すだけ無駄だと告げてくる。
でもね、こんな諫めの言葉をセリカちゃんに告げられても、人という生き物は、一度不信感を募らせると気になって仕方がないから。外から車内を見ている者がいて、儂のことを挙動不審に思っていようが。儂は気にもせずにキョロキョロと辺りを見渡した。
儂自身が怖くて仕方がないから。
でもさ、儂の我慢──。恐怖に耐え忍ぶことにも限界というものがあるかので。儂はとうとう耐え忍べなくなり。
「セ、セリカちゃん~! ど、どこにいるのだ~? おじさんを余りからかってはいかん! 恐怖の余り心臓が泊まったらどうするのだ? だからお願いだ! もうこれ以上おじさんをからかうことをしないで姿を見せておくれ。お願いだよ!」
儂は最初セリカちゃんに憤怒して怒号──。
その後は徐々に緩やかな声……と、いうか。気落ち弱々しい声色で嘆願をしたのだよ。儂をこれ以上からかい嘲笑わないで欲しいとね。
「(う~ん、どうしようかなぁ~? セリカ~? あの女に捨てられて心が傷つき病んでいるパパを癒してあげようと慌ててきたのに。パパはセリカのことがわからないとか言うし~。いよいよ最後はセリカのことを妖怪とかお化け、物の怪の類の物だと告げてきたから、セリカは少々傷ついたなぁ~。だからどうしようかなぁ~? もうパパなど放置して自分達が住む世界でひっそりと暮らそうかなぁ~?)」
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