chapter13 「組別総合原価計算」って何!?

 ある、文化祭の実施が近づいてきた放課後のこと…


「ねぇ、美琴ちゃん!」


「紗代~どうしたの?」


 この子は三枝紗代さえぐささよ。私と同じパソコン部員で、去年のクラスメイト。


 今年はクラスが違っちゃったけど、戸山先生の簿記の選択授業で同じ教室だったり、2人とも文化祭実行委員会に所属しているから、感覚的に去年と同じように話ができているような気がする。


「美琴ちゃんのA組は、模擬店で「お好み焼き」を出すことになったんでしょ?」


「そうなんだ!そう言えば、紗代のB組は「大阪焼き(リング焼き)」だったっけ?」


「そうなんだ!そこで!!美琴ちゃんに相談なんだけど、大阪焼きって、お好み焼きを今川焼きみたく平たい円柱状に焼いたものじゃない?」


「確かに、大阪焼きの中身って、お好み焼きとほぼ変わらないよね~」


「そうなんだ!!だから、材料の仕入れをA組・B組合同でできないかな~と思ってさ!」


「それ、名案だよ!!1回の注文が多ければ、単価を安くしてくれる場所もあるって聞いたことあるし!」


「同じ材料だけど、大阪焼きとお好み焼きで調理の工程が違うから、できる技だよね!」


…」


「何だか、工業簿記の「組別総合原価計算」みたいだね♪」


「言われてみれば、確かにそうかも!」


「組別総合原価計算の場合、「A組仕掛品」「B組仕掛品」「A組製品」「B組製品」みたいに、組毎に「仕掛品」「製品」の各勘定科目が設けられて、製造間接費は「組間接費」って名前になるんだったよね~」


「そうそう!月末仕掛品原価も、先入先出法なのか平均法なのかさえ間違えなければ、計算の仕方は今までやってきた計算方法と変わらないしね~」


「組間接費を、各組の仕掛品に配賦はいふする時は、ちょっと注意が必要かな…」


「問題によって「配賦基準」が違うからね~」


「「機械を動かしている時間」だったり「他の原価要素の費用配分」だったり…中には直接パーセンテージで表記されている場合もあるらしいよ」


「いつもパーセントで書かれてくれてれば、問題解くの簡単になるんだけどね~」


「組別総合原価計算って、基本的に仕掛品と製品が組別に分かれるだけで、計算方法とかは前のやり方と変わらないから、今のところ私は一番好きな問題かな~」


「落ち着いてやれば、今の私たちでも検定で点数が稼げそうな問題だもんね~」


「そうだね~…んで、何だか話がそれちゃったけど、A組はB組との共同仕入れはOK出ると思うんだ!だから、今度のLHRで文化祭の話をする時、B組もうちのクラスとの材料合同仕入について、紗代から提案してみて♪」


「分かった!提案してみるね♪」


chapter14 に続く

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