Day11 🔖略奪愛
こんにちは。今日もご参加いただきありがとうございます。昨日のお知らせの集合時間と集合場所で驚かせちゃいましたか? よかった、来てくださって。大丈夫ですよ、ワタシ達は帰って来ましょうね。
さて、さて昨日までのトリップで【若菜上】【若菜下】の超訳のご案内が終わりました。現在源氏物語の第三十五帖まで読み進めてきたことになります。日本を代表する物語ですので、多くの方が研究をなさってます。今日はそんな方たちの解説のごくごく一部についてご紹介してみますね。さあ、今日も出かけましょうね。
さあ、『源氏物語』に行きますよーー!
✈︎✈︎✈︎
【別冊】源氏物語 topics28 略奪のリフレイン
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881765812/episodes/1177354054882162601
以前のトピックスで源氏物語には同じような出来事のリフレインがよく見られると書きました。(【別冊】topics2 物語は繰り返す?)
前回は好きな人(亡くなった人)の代わりの人と一緒になること(身代わり婚)を書きました。
今回は略奪、です。
源氏は父親の妃の藤壺の宮に恋い焦がれ想いを遂げました。藤壺の宮は妊娠し、罪の子冷泉帝を産みました。
源氏の息子の夕霧は父の妻の紫の上を垣間見てしまい、あまりの美しさに淡い恋心を抱きます。ただ夕霧は想うだけで行動には移しませんでした。
そして柏木です。源氏の妻の女三宮に恋をして思い詰め、とうとう密通してしまいました。女三宮も懐妊してしまいます。
源氏は父親の妻と密通して、今度は自分の妻に密通されてしまいます。
藤壺の宮との恋は表面的には父の桐壺帝には知られず、産まれた冷泉帝を桐壺帝は我が子として可愛がりました。
源氏は柏木と女三宮のことを知り、怒り、イヤミを言い、ふたりを責めます。
「ひょっとしたら父さんも俺たちのこと知ってたんじゃ……」
源氏は桐壺帝が自分たちのことを知っていて知らないフリをして冷泉帝に接していたんじゃないかと考え恐ろしくなります。自分は同じことをされてその事実を知り、知らないフリはできませんでした。
「今思えば俺の恋も恐ろしい罪だったんだな……」
自分が父帝に対して犯した罪を今度は柏木にされて、今さらあのときの罪の重さに震えます。それから恋愛沙汰についてはエラそうに人を非難する資格は俺にはないんだって思いもするみたいです。
桐壺帝が源氏と藤壺の宮のことを知っていたかどうかは物語に書かれていません。
ここからはワタシの勝手な妄想ですが、知っていたんじゃないかなぁと思うのです。桐壺帝には源氏の母の桐壺に似ているという理由で藤壺の宮を妃にしている負い目があって、ふたりのことを認めてあげてたんじゃないかなぁって。だから藤壺の宮が源氏に恋していて、源氏も藤壺の宮を愛しているんなら、見て見ぬフリをしようって思ったんじゃないかなぁと。現代のように「俺のオンナ」的な所有物感覚が平安時代にはないと言います。それに源氏は愛する桐壺の更衣が産んだ子。源氏の子ということは桐壺の更衣の血を継ぐ子になる。うすうす察していながら、そしてすべてを認め、許した上で冷泉帝のことも愛したんじゃないかなぁって。
それに対して源氏は女三宮と柏木のことを許しません。女三宮にも「知ってるからね、俺は」と伝えますし、柏木にもイヤミを言い立場的にも圧力をかけ病気にまでしてしまいます。
自分だって「命をかけた恋」をして、罪を犯してでも遂げたかった想いや、犯してしまった罪におののく気持ちだってわかったでしょうにね。
カタチだけの夫婦を装っている正室の女三宮を源氏は特に愛してもいないけれど、だからといって他所の男との密通は許せない。誰にも知られてはいないけれど、「光源氏」たるプライドが許さないのかもしれません。
桐壺帝の妻の藤壺の宮と源氏の恋
源氏の妻の女三宮と柏木の恋
下品な表現をすると「妻を寝取られる」という同じ事象のリフレインですが、桐壺帝と源氏ではその後の態度は対照的でした。
同じ展開に違うリアクション。
この物語の凄さです。
✈︎✈︎✈︎
お疲れ様でした。「源氏物語考」エッセイでした。源氏物語の研究でよくとりあげられているようです。「エピソードのリフレイン」
一番ポピュラーなのが「好きな人(亡くなった人)の代わりによく似た人を恋人(妻)にする」ことです。源ちゃんパパが源ちゃんママを亡くしたあとに彼女にそっくりな藤壺の宮をお妃にしました。源ちゃんは憧れの藤壺の宮とは禁断の関係なので彼女にそっくりな紫の上と結婚します。
そして今回の「略奪のリフレイン」。同じ事象に違うリアクションでした。源ちゃん……。桐壺帝パパとの器の違いといいますか、大人げないというか……。とことん自分の気持ちに正直ですよねぇ、源ちゃんは。
とにもかくにも第二部のはじまりにしていきなりメインディッシュのような【若菜】上下が終わりました。明日はこの続き第三十六帖【柏木】です。タイトルからおわかりのように略奪しちゃったもののバレて病気になっちゃった柏木くんの物語です。
源氏物語本編はドロドロ愛憎劇となってきていますが、こちらのツアーは明るく楽しく出かけましょうね。
だからお願い。明日も『源氏物語』に行こうねっ!
『源ちゃんツアーseason2』Day11に来てくださり、どうもありがとうございます。
✨明日の予定
Day12 【柏木】破滅
集合時間:魔が差したとき
集合場所:奈落の底
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